未確認生物、目撃
自宅から二駅ほど先の居酒屋で飲んでいてうっかり終電を逃した。幸いにも近所に住む友人が一緒だったため、一緒に歩いて帰ることにした。
深夜。トラックなどが高速で走り行く大通りを避け、私たちは暗い裏道を歩いていた。
ふと、何かが前を横切って、私は、あ、猫だと思った。猫にしてはゆっくり横切っていく。
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ゆっくり通っていった |
ん? ネコ? ちがう。なんだあれ? ずるっ、ずるっと、重たそうに長い長い尻尾をひきずっている。顔がやけに長い。
「ツチノコだーーー!」
同行の友人が小さく叫んだ。いや、それツチノコじゃないだろう。多分未確認生物のことを言っているんだと思う。とにかく見たことがない生き物だ。
「なんだあれなんだあれなんだあれ!!」
「こわいこわいこわいこわいこわい!!」
こわがり盛り上がる私たちをおいて、そのUMA(未確認生物)は民家のガレージへ姿を消した。
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ガレージの向こうの草むらへ |
恐る恐る追って姿を探すがいない。一体あれは何だったんだろう……。
もう一度、見たい
どうしてももう一度見たい。そんな思いで捜索を決意した。調査するにあたり、まずは私と同行の友人の目撃情報を改めて洗い直してみたいと思う。お互いに思い出しつつ、目撃生物のイラストを描いてみた。
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こんな感じ? |
・とにかく尻尾が長く、ずるずる引きずっていた
・基本的に猫に似ていたと思う
・黒かった気がするが、暗闇だったからそう見えただけかもしれない
とにかく私は長い尻尾に釘付けで、それ以外の情報は実はあまり覚えていなかった。対して、友達の方は割とその全貌を覚えてるようだ。
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友人の絵。こわい |
・耳が立っていなかったので明らかに猫ではないと思う
・顔が長く見えた
・普通の猫よりもやや大きかった
・足も猫より長かった気がする。
こうしてみてみると私はどちらかというと猫に、友人は犬のように感じているようだ。
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友人の絵2枚目 むしろ馬 |
あいまいで自信のない私に対して友人の証言は力強いものだった。
「尻尾もそうだけど、顔が長いのも特長的だったよ。アリクイとかプレイリ−ドッグみたいな感じ? げっ歯類? でも暗かったしな−」
--足、そんなに長かったっけ?
「うん。そんな気がしたよ? 足が長い割に移動がゆっくりだなと思ったんだよね」
--私は尻尾があんまり重いんでゆっくりしか進まないみたいに感じたよ
「ああー。そうかも。あと普通ネコとかだったら道路渡るのちょっと躊躇するよね。それが、慣れた感じがしたのも不気味」
--あー、もう一度見たいんだけどなあ。どうだろう。
「え、もしかして捕まえようとしてんの? やばいよ、危ないよ、危険だよ、コレ」
この時点で目撃から丸一週間が経っていた。私も友人もかなり実際よりも有り得ない方に想像が膨らんでしまっているのかもしれない。
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友人の絵3枚目 明らかにおかしな方向へ膨らんでいる |
しかし、実際に見た生き物だ。地に足をつけて冷静に探していけば、何らかの答えは得られるはず。
目撃現場は住宅街だ。もしかしたら犬や猫などのペットが迷い込んだだけかもしれない。実地調査に移る前に、まずは犬猫の専門家にその可能性を聞いてみよう。犬猫のテーマパーク、二子多摩川「いぬたま・ねこたま」へ! |