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はっけんの水曜日
 
クラムチャウダー・シベリア・アタック、音源デビュー!

3曲の中でも、「恋するオンライン」は、むやみやたらと歌うのに難しい曲だ。
そもそも、秋山さんがクラムチャウダー・シベリア・アタック用に作ってくれたのは、もっとギャルバンドっぽい、勢いでなんとかなる、楽しく明るい曲だったのだが……。

ポストパンク大好き世代の大塚&高瀬で、秋山さんのオリジナル曲集(音源はここ、元のタイトルは「楽園」という曲)を聴きながら、
「この曲のほうがいいよ」
「いいね」
「絶対こっちのほうがいい」
「うん、こっちがいい!」
「こっちやろう!」

と強引に決めてしまったのです。

……この時点では、自分たちが歌うのに、すんごい苦労するかも、とかそういうことは全く思い付いていませんでした。

スタジオに入って練習したら、もう、


……全然声が出なかった。

鍵盤をたたきながら、苦悩する秋山さん……。

ひきつるわたしたち。

「まー、録音スタジオではどーにかなりますよ、ははははは」

と秋山さんは言ってくれたけれど、わたしはもう不安でいっぱい……。
いや、不安にすらなれないほど、いっぱいいっぱいだった……。



いや、一体どうなっちゃうのかしら私たち……。

 

曲に合わせて歌詞を作るというのも、初めてのことだった。
いや、正確に言えば人生で2度目だった。学生の頃やろうとしてたバンドで、デモテープもらって、歌詞書いたのに感想をきくスキもなく、始動するまえに解散したんだった。
しかも人間関係のゴタゴタで。よくある話だ。
音楽をやろうとして挫折した、という過去を、何年もひきずっていた。才能がある、ない、以前に、音楽をやってみれなかったことが、コンプレックスだった。
時間がたって、今は他にしたいことが見つかった。音楽を好きだし、聴き続けてるし、音楽をやってる人に逢って話すのも楽しい。
でも、自分でやろうとか、まったく思わなくなっていた。
そんな時に歌うことになるなんて。
しかも(ここを読んでいるアナタも含めた)たくさんの人が聴いてくれる機会が来るなんて。
人生はすっげー不思議だ。
わけわかんない。

しかし……歌詞。

どっからやっていいのか困って、考えて、まず設定を書いた。

*とりあえずネットがらみの歌詞にしよう、ネットの企画だしね!
*ネットがらみの恋の歌だ!
*インターネットって、全世界がつながってるとこが、ロマンチックよね。
*光る覗き穴って感じするよね。
*でもなんつうの、こわい。ネットがつながってるとこを想像すると、深い闇のイメージになる。
*人間同士の無意識って、つながってるって言うじゃん、ネットって無意識っぽくない?
*あとなんか、歌詞に「世界の終わり」とか「本当のこと」とかそういう言葉入れたい、おしゃれに、渋谷系風に。
*サビに入れよう、でも続く言葉で意味をひっくりかえそう。
*あとなんか、抽象的な話のあいまに、具体的なエピソードを入れたい。飲み会のときに、テーブルの下でひざの裏をくすぐられた、とかさ、そういうやつ。

……真面目に書いた。もうこれで限界。無理。

難しい。難しいよ。
音楽って難しいよ!!!!!!!!

今後、ミュージシャンに取材する機会とかあっても、もう「この歌詞の意味はなんたらかんたらなんですか?」とか、偉そうに話、訊けないなあ……とか思った。



 

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