……頂いた進行表を見て思った。
わたし、かつて、カルチャー雑誌で、音楽記事とかさんざん作ってたのに、トラックダウンとマスタリングが何を指してるのかも、よく知らなかったよ!
音楽のこと何も知らないよ!
猛省しながら、古賀&高瀬さんに連絡。
「えー、ほんとにやるんですかあ?」
「ほんとに?」
ほんとです。
「私、歌とか歌えませんよ!」
「私も」
……ええとー。
「ていうか、何やればいいんですか?」
「うん、何すればいいの?」
……何すればいいのかなあ……。
めっちゃくちゃ不安なまま、新宿・ランザンにて、全スタッフの顔合わせが行われることになった。
作曲してくださるという三人の方、中島さん、平吉さん、秋山さん。
そしてクラムチャウダー・シベリア・アタックの私たち。
事前に頂いたデモを聞いて、演奏する曲は決めていた。
「……あのですねえ、とりあえず、1こだけアイデアあるんです」
「なんですか?」
「うーんと、歌詞にブログの名前をばんばん入れるんです。そしたら、歌ったブログの人が、リンクしてくれるかもしんないじゃないですか!」
「あ、大塚さん、それいいですねえ」
「いいでしょー」
……でも、他のことは何も決めてなかった。
ていうか、考えようがなかった。
「歌、誰が歌うんですか?」
「え、だから3人で……」
「いや、音程分からないと、演奏のコード変えたりしなきゃいけないから」
「そうか、そりゃそうですね」
「……ていうか、やっぱりメインボーカルがいないと…」
「私、歌下手です」
「私もです」
高瀬さんと古賀さんがそう言って、きっとわたしを見た。
(「責任とってね」)
と、目が言っていた。
変な汗が出て、顔がひきつった。
「……あ、あああああああ、じゃあ私が歌います! うた、うたたたたたたた歌います!」
うああああ。
「じゃあ歌詞は……」
「ええと、ネタ出しだけみんなでして、わわわわ、私がまとめます! す!」
「じゃ、そういうことで。あ、ボーカルのサンプル欲しいので、カラオケとかで録音して送ってください。3人とも」
「う………うぐ……はい」
後日、クラムチャウダー・シベリア・アタックはカラオケ店、新宿パセラに集合。
高瀬さんは小泉今日子、古賀さんはUA、大塚はトミー・ヘヴンリーを熱唱して録音。
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