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特集


ひらめきの月曜日
 
おひとりさまの限界
ひとりで行くよ、どこまでも

最近よく「おひとりさま」という言葉を聞く。

先日もテレビで特集されていた。
「未婚既婚に関わらず、女性1人でゴハンを食べに行ったり旅行をしたりするとオンナを磨ける」という番組内容だった。

…ちょっと待て。こちとら自慢じゃないが、おひとりさま歴は年季が入ってるぞ。だけどオンナっぷりは上がるどころか、時々オトコと間違われるくらいだ。

なんでだ。修行が足りないのか。

そんなわけで、普段あまり1人では行かない場所ばかりを選んで「おひとりさま」を堪能してきました。

高瀬 克子


ゆうえんち編

「普段1人では行かない場所ってどこだろう?」と考えて、まっ先に思い浮かべたのが遊園地だった。


ご存じ「花やしき」。連休だったこともあり、浅草は人でいっぱい

入場料は900円となっております。途中退園 有効。すばらしい。

すでに入場券売り場からして、カップルと家族連れで溢れている。

園内は、さぞかし人でごった返してるんだろうなぁ。その中に1人でポツンといるのって、どんな感じなんだろう。

…少し気持ちがひるんだが、まぁ、何ごとも経験だ。

窓口で「おとな一枚ください」と切符を求め、さっそく中へ入った。


「花やしき」には何度も来たことがあるが、これほどまでに人がたくさんいる「花やしき」は初めてかもしれない。経営不振のニュースに心を痛めていただけに喜ばしい事態ではあるが、今回ばかりは「なんでこんなに人がいるんだ」と思ってしまった。

とにかく家族連れが多い
わが子の勇姿を撮影する親と、身長制限に引っ掛かった子ども
花やしきのローラーコースターは、その狭さゆ えに怖さの質が違います。大人気。
ステージも大賑わい

園内をぐるぐる歩いているだけなら、別になんてことはない。楽しげな人々を見ることで、こちらの気分も良くなるくらいだ。ただ、問題は立ち止まった時。

ぽつーん…。

「明るい場所でこそ陰は濃くなる」という通り、イヤというほど1人がくっきりと浮かび上がる。うーん。さすがに身の置きどころがない。


ああ、腹が減ったがどうしようか
まさかあの場所には陣取れまい

「焼きソバを食べよう」と思っただけなのに、遊園地の中では、それすらも難しい。いや、難しくはない。ただただ気まずい。

ベンチがひとつ空いたので、座った。しばらく座っていた。まわりをボーッと見る。まるで風景の一部になったかのように、見る。

…5分も経った頃だろうか。この空間に慣れたのが自分で分かった。

「よし、焼きソバ食べよう!」


焼きソバを買ってきました。オプションでポ テトとビールも付けました。

近くでボーッとタバコを吸っている青年がいたので、写真を撮ってもらえないかとお願いしたら、快く引き受けてくれた。


遊園地で1人、焼そばを食べビールを飲む、の図

…写真を見て気が付いたが、遊園地で「おひとりさま」をやったところで女っぷりなど上がるハズがない。写っているのは、昼間からビールをかっ喰らう、ただの年増女だ。女に見えるかどうかもあやしい。

まぁ、要はいかに「ひとりを楽しめるか」ということですよ。それを実証するために、ここは腹も満たされたことですし、せっかくですから何か乗り物に乗ることにしましょう。


 

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