(文字色黒:私)(赤:母)(青:弟)
「なんかすごい好きだよね」
「あ、うー、ドリフ?」
「だって、今さ、今の時間さ、裏で伊東家とかやってるのにさ、この番組を選ぶふん」
「でもこうもう、中学生ー、伊東家えらばな、選ぶ?ふつう」
「選ばないよ」
「あー、白滝たべるーしらたきー(注1)」
「春のすきやきだね」
「そうだね、ぬ、ぬ、なんかあるものー」
「うんー」
「ぐしゅ」
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菜の花だの竹の子だのニンジンだの |
「よいしょ(注2)」
「いただきまーす」
「あい」
「それはー、すぐ、た、すぐ、あれに火がとおるからね」
「え? 菜の花?」
「うん」
「あ、本当だすごい柔らかいね」
「はい、大丈夫よ、肉」
「すごいもってったね」
「ふふ」
「よいしょー(注2)」
「ワイン飲む? 白ワイン」
「あー、飲むー」
「なんかさー、赤坂のラーメン屋でー」
「うんー」
「独自にラーメンをねー」
「白ワインとさトマトジュース合わせるとおいしいの(注3)」
「え、まじで?」
「このワインおいしくないから」
「白ワインとトマトジュース合わせると美味しいの?」
「やってみる?」
「え、ほんとに?」
「うん、おいしよ」
「え、だれ、どしして、だれ、どし、誰に教えてもらったの?(注4)」
「やって、やって」
「え? やってみたらおいしかったの?」
「しょくー、食塩の入ってないトマトジュース」
「へえー、やってみる」
「クラスでドリフ見てる子とかいんの?」
「うん、う」
(母、トマトジュースとワイン持って来る)
「やっ、ちょっと入れるんだ」
「いれる?」
「んん」
「え、お母さんが開発したの?」
「え? なんでなんでそいうことやってみたの?」
「え、いなんとなく」
「なんとなく」
「ちょっとかきまぜて」
「はーい」
「こぼさないように」
「うっはははっ(ドリフのコント見て)」(注5)
「あれ、」「(トマトワイン飲む)えーなんかさー」「殻がはいってるこれ(注6)こまね」「なにー?」「こまねち(注7)」
「トマトとワインの味がするけど」
「うわっはっトマトとワイン? そのまんまだ」
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問題の品 |
「うーん、なんか」
「よくかきまぜた?」
「うーん」
「めったやたらなんだけど(注8)、これ、昨日広島で買ってきた」
「なんかお母さん広島行くとさあジャコ買ってくるっていうか」
「うーん、だってあれ、ジャコがあれなんだもん名物なんだもん」
「あ、そうなんだー、」
「あの瀬戸内海のじゃこ」
「うん」
「他にないんだもん」
「へー」 |