とんかつ屋の自家製ソースが気になる。 店によって、甘口・辛口・ゴマ入り等々、微妙に味が違うが、どれもだいたいウマイ。
自家製ってことは、それぞれ店で作ってるんだろうか。それとも寿司屋の玉子焼きのように、どこかに「自家製ソース取りまとめ業者」がいて、一手に請け負っているのだろうか。
そういえば、ソースの原材料って何だっけ? 味噌や醤油は大豆だし、ケチャップはトマトだけれど、ソースは?
作れるものなら作ってみたい。というわけで(どういうわけだ)、とんかつソースの自作に挑戦して みました。
(高瀬 克子)
手探り状態
いざソースを作ろうと思ってはみたものの、ソースについて、何もわからない。野菜や果物が長時間かけて煮込まれているイメージだけはあるのだが、あれは一体、何味なんだ?
すでに「ソース味」とカテゴライズされた調味料だけに、その内容物がナゾである。
「容器に書いてある材料欄を見れば何かヒントを得られるに違いない」と、近所のスーパー「サミット」に行ってみた。
売り場で一人、じっくりとラベルを読み込んだ。
なるほど、とんかつソースのあの甘みはリンゴとプルーンの仕業だったのね。とろみ担当はコーンスターチか。プルーンが両方に入ってるってことは、よっぽどいい仕事をするに違いない。…さっそく脳内買い物メモに「リンゴ、プルーン」と書き込む。
しかしこの「その他」という表記が気になる。きっと何種類もの野菜や果物が使われているんだろうに、そこはやはり企業秘密なんだろうか。そこで、ちょっと河岸(スーパー)を変えて他のソースの裏も見てまわることにした。
ソースのビンをしげしげと眺めて分かったこと。 ・ウスターソース発祥の地は、イギリスのウスター市。 ・中濃ソースは、とんかつとウスターの中間の濃度、という意味で名付けられた
…デイリーで特集を書くたびに、どうでもいいマメ知識が増えていくような気がする。
そして、ついに見つけました。「材料名:その他」と書いていないソースを。
助かった。これでだいぶ輪郭がつかめた。まだスタートラインに立ってもいないのに、もう勝った気さえしてきた。
意外にシンプルな構成物に安堵しながら、そのままスーパーで必要な物を買い込んで、さっそくソース作りのスタートです。