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特集


はっけんの水曜日
 
お灸でよみがえる

もしもの時のために水を用意しています。

燃やすのが怖いです

出来上がったモグサは綿のようにふわふわしていた。これ、本当に燃やして大丈夫なんだろうか。そういえば子供の頃、理科の先生が実験中に遊びで火をつけた綿花が一瞬で燃え広がったのを覚えている。あの時先生は冷静さを保っていたが、実は内心かなり真っ白になっていたに違いない。


いつものポイントにもりもりっと。ちょっと盛りすぎのような気もします。

毛玉のようなモグサの束を丸めてツボにのせ、恐る恐る先端に火をつけた。火は細い煙と共に緩やかに広がっていく。ビジュアル的にかなりやばい感じがするが、これが僕の抱いていたイメージには最も近い形のお灸像だ。


いざ着火。
燃え方が早い気がします。この時点ですでに熱い。

 

やっぱり手作りは違います

もぐさのお灸は火が回るにつれ市販のものよりもずっともくもくと煙が出た。煙はそれほど嫌な匂いというわけでもなく、ほのかに日本茶のような緑の香りが混じる。アロマテラピーにもなるかもしれない。肝心なお灸としての効果だが、こいつがまた点火した瞬間から地味にずっと熱いのだ。そして火が回るにつれ徐々にその熱さが痛みに変わってくる。これに耐えたらきっとえらく効くにちがいない。

だけど僕はまったく耐えられずにすぐにモグサを払い落とした。へたれと言いたければ言えばいい、だけどその前によもぎのお灸を試してもらいたい。かちかち山とか思い出しますから。


いつもの検査にも期待が膨らみます。
あれ。

あまり効かなかったみたいです

自家製モグサ灸を終えて視力検査に臨んだ。お灸を外した後は市販のものよりも後頭部への熱の広がりは少なかったような気がする。だけどツボに残る熱さというか痛みは断然こちらのほうが上だった。ツボがもろに燃えたんじゃないかと不安にすらなる。

そして期待の測定結果、176センチ。

あれ、まったく変化なしじゃん。手間をかけた自家製モグサでお灸を施してみたのだが、結果としての視力回復効果はむしろ市販のものの方が高かったといえる。やっぱりにんにくの効果は絶大ということなのだろうか。

いろいろ学びました

お灸に代表される東洋医学的な治療法は、効果の度合いが緩やかで目に見える変化が現れにくいのかもしれない。まあ当たり前といえば当たり前なのだが、4日間後頭部から煙をあげながらたどり着いた結論なので自分なりに納得できる。だけど視力回復はともかく、お灸をするとそのツボからじわじわと熱が体全体に伝わり、終わったあともしばらくぽかぽかした状態が続いた。これはうまく使えばかなり効果がありそうだ。実際ここ数日、心なしか肩こりが和らいだような気がする。

それからなぜか後頭部、髪の生え際の毛が燃えてました。たぶん火をつけるのを手伝ってくれた妻が間違って燃やしたんだろうと思う。最近もうちょっと自分を大切にしてもいいのかな、とも思っています。



 

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