よろしくお願いします
箸について教えてくださったのは、店の代表である高橋さんだ。
「いやー、この仕事を始めてから、すっかり詳しくなりました」とおっしゃる通り、店にあるどの箸について訊ねても「ああ、この箸は…」とスラスラ解説してくれる。
―― 鉛筆型の箸、インパクトありますね。
「あれは福井で作られたペンシル箸というんですが、とても売れたんです。他に変わったものでは、ポッキー箸というのもありましたよ」
―― ポッキーですか! ところで、どの箸が一番売れてますか?
「最近は、塗り箸よりも削り箸が人気です」
―― そういえば、塗り箸って最近あんまり見ないですよね。
「ものすごく稀ですが、デリケートな人は箸に塗られた漆でさえカブれたりするんです。蜜蝋を買ってくれば、自分で塗り箸は作れるんですが、まぁ、そこまでやる人はなかなかいませんよね(と、作り方を説明)」
―― それ、実際やったらすごいです。じゃあ、箸を選ぶポイントって何でしょう。
「まずは長さ、太さ、重さですが、それに加えて先の細さと、しなりですね」
―― しなり?
「物を挟んだ時に、どのくらいしなるかというのも基準になるんです」
なるほど「しなり」はノーマークでした。他にも「食器洗い機は箸に悪い」とか「最近は木の質が落ちているので、いい素材で箸を作ろうとすると値段がどんどん高くなる」といった話をたくさん聞かせていただいた。 |