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特集


ひらめきの月曜日
 
箸を極める
反ってるのまである

気がついたら、家で使っている箸がボロボロだった。角や先っちょが白く剥げてしまっている。

いくら普段、人目に触れない物だからといって、こんな貧相な箸を使うのは大人としてどうだろう。しかも30代女子においておや。

箸。乱暴に言ってしまえば、棒が2本だ。

…いっそ、自作してしまおうか? いやいや、いくらなんでもそれは無謀だ。ならば豪勢に、オーダーメイドで作ってもらうか!

そんな野望を胸に、箸の専門店を訪れました。

高瀬 克子


これが箸とは

自分だけの箸が欲しくて、青山にある「銀座夏野」という店を訪れた。表参道の交差点の近くにある、それはそれは洒落た店である。


パッと見、箸のお店とは思えません
箸だけで、こんなに種類があったとは

箸の種類といったって「長さ」や「太さ」、あとは「材質」くらいしか違いがないだろうとタカをくくっていたのだが、入口前に置いてある箸を見て、まず驚いた。


これ、箸…?
あ! 消しゴムじゃなく箸置きか!
文房具屋の店先じゃありませんよ
駄菓子屋然ともしてきました

まさか、ここまで自由な世界だったとは。「細くて長いものなら、なんでも箸のモチーフになる」と言わんばかりの商品展開に、すっかり心を奪われてしまった。

まだ、店内に入ってもいないというのにコレだ。いったい中は、どんなことになっているんだろう。さっそく入店してみました。


壁にズラリと並ぶ箸

関連商品の箸置きもドッサリ(写真はごくごく一部です)

箸の量が想像を超えてます

店内は、いたるところが箸だらけだった。
専門店だから当たり前なのだが、とにかく密度がすごい。どこを見ても、箸、箸、箸だ。

思わず「すごい量ですねぇ」と言うと、お店の方が「ええ、よく陳列具合が駄菓子屋みたいだ、って言われます」と話してくれた。

「あんまり量が多すぎて、店員がとっさに商品を探し出せないくらいなんです」

すごい。確かにこの量、客としては嬉しい限りだが、店員さんは大変かもしれない。聞くと、なんと1500種類もの箸があるという。

とりあえず、店の中をじっくり見て回ることにした。決して広くはない店内なのに、変わった箸が目に入るたびに「おや?」といちいち手に取ってみるせいか、見てまわるのに時間がかかる。

「どんな箸が見つかるかな?」とワクワクする気持ちがお宝探しのようで、少しだけドンキホーテを連想してしまった。いやー、楽しくてたまりません。


折れたバットで作った箸。これはジャイアンツですが、他の球団の箸もちゃんとありました
携帯用のセパレートタイプ。真ん中部分をネジで接合できるようになってます

箸って、いつからこんなバリエーションに富んだことになっていたのだろう。「私だけの一膳を」と訪れただけなのに、すっかり魅了されてしまった。箸に心をつままれた、というべきか。

脳内の「へぇ」ボタンを連打しすぎて、ボタンごと壊れてしまったかのごとき箸の世界。お店の方にお話を窺いながら、さらに奥まで進みます。


 

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