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特集


土曜ワイド工場
 
カキ小屋に行って来た

長崎では、冬になると国道沿いに「カキ」と書かれた小屋が大量に立ち並ぶ。
カキを食べるための専用の小屋、その名もカキ小屋である。

私は関東から長崎に移り住んでそろそろ丸4年経つが、いまだにこのカキ小屋に行ったことがなかった。

小屋の中では一体どんなことが行われているのか?

(Text by T・斎藤

カキ焼いて食うための小屋


ノロウイルスの不安

「トイレがホームグラウンドの生活でした。」
ノロにやられた友人が日記にそう書いてたのだが、この冬はノロウイルスがけっこうな勢いで流行っている。

牡蠣などの貝類が内部にノロウイルスを蓄えていることがあり、生で食べると感染するという。熱に弱いウイルスとのことだが、牡蠣フライぐらいの熱では死なないんだとか。

で、私もしっかり感染してしまった。
もっとも牡蠣を食べたからではなく、娘がどこかからもらってきたやつがうつってしまったもの。

取材にでかけたのは、ノロが治ってから幾日も経ってない日のこと。おなかのあたりに若干の不安を感じつつ、
「もう免疫できてる」
と言い聞かせてでかけた。

母は牡蠣アレルギーだった

私の母は若い頃一度牡蠣で大あたりし、以来牡蠣アレルギーとなった。その影響で我が家の食卓に牡蠣がのぼることはほとんどなく、私は二十歳過ぎるまで生牡蠣を食べたことがなかった。

というわけで、私の中で牡蠣は危険ランキング上位の食べ物で、その取り扱いには細心の注意を払わねばならないものだと思っていた。

ところが。
長崎に来てその扱われ方の大胆さを知り、大変驚いたのであった。


中古のゴルフボールのような扱い

こんな大胆な扱いなんだ…

冷蔵庫に入れたりしない。常温。
ザルに入れてガラガラガラーだ。

私が会社勤めをしていた頃、会社の入り口のところに、
「ご自由にお取りください。」
という紙と共に、大量の牡蠣が入った箱が置かれていた。
実家が漁師という課長が持って来たそうなのだが、それはまるで中古のゴルフボールのノリだった。
生ものなのに…。

今までの危険に対する認識がガラガラと崩れた瞬間であった。



かき焼きの

立ち並ぶ小屋群

というわけで、前置きが長くなったが私はカキ小屋を目指した。

この時期は、ただ国道を走っているだけで、おびただしい数の「カキ」と書かれた看板が目に入って来る。

何十軒もあるので、どこに入ろうか迷う。

看板が
とにかくたくさんで
どこに入ったらいいか
とても迷う

そして、私はそのうちの一軒に入った。
選んだ理由は、外から子供が焼いてる姿が見えて雰囲気が良さそうだったからだ。

(後でその子供はお店の子だということがわかった。
 商売うまいなぁ。)


ここに入ります


 

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