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チャレンジの日曜日

 
鶴を折るつもりじゃなかった

折り鶴クエスト〜終章。

というわけで、DPZ でもことあるごとにお世話になっている外苑前の京菜にやってきた。 モダニズムと和が見事に調和されている京菜のインテリアなら、このポリゴン折り鶴も映えること間違いナシ!! と意気込んできたのだが、明らかに場違いだ。


鶴たちを前に途方に暮れる。

お隣の客はこの写真では談笑しているが、明らかに迷惑そうな顔をされてしまった。


この写真をみると、うなだれる筆者を折り鶴達が慰めてくれているようにも見える。
キテレツがコロ助を作りだしたように、彼らは僕が丹精込めて折った、いってみれば家族みたいなものだ。
そんな風に考えるとこの鶴たちがとても愛おしく感じられてくるが、恐らくはただの錯覚である。
いつまでもうなだれていても仕方がないので、折り鶴をマスターに売り込んでみることにした。なぜ売り込んでいるのかは自分でも分からないままに。


…………。

ここのマスターは極めて紳士的だ。腹がたったからといって、いきなり頭ごなしに怒鳴りつけたりはしないが、それ故に、この困ったような表情が全てを物語っているようで悲しい。しかし、ここで引き下がる訳にはいかないのである。我々はどんなに辛く険しい道でも、道が続いているかぎり先に進まなければならないのだ。登山家だった祖父のそんな言葉を思い出しながら、半ばムリヤリにインテリアとして飾ってみてもらうことに。

すると、意外な結果がみえてきたのだ!!


なんとなくかっこよさげ!?(マウスオーバーで画像が変わります)

ご覧の通り、飾ってみるとなんだかちょっとかっこよさげだ。全然違和感がないどころか、もし自宅の玄関がこういうオシャレ仕様だったら、筆者は間違いなく鶴を置くだろう。

ここで、筆者はひとつの結論に辿り着いた。折り紙単体ではモテからは遠いが、あるいはオシャレなインテリアとセットになると、その内側に秘めたモテ・パワーがエクスプロージョンするのではあるまいか!? そして今まさに、折り鶴にとって最も恰好良い瞬間が訪れている!!

やはりここに来たのは間違いではなかった。そんな感慨にふけっていると、まるで今回の為にあらかじめ用意されたかのように、一枚の絵が眼中に飛び込んできた!!


つ、つるだ! つるがいるヨ!!

こうして青年の作った鶴たちは、絵の中の鶴と共に北の方に旅立っていったのでした。

おわり


シャイニングのニコルソン君の顔真似です。

なんだか当初のもくろみがいつの間にかどこかへ行ってしまいましたが、個人的には巨大な折り鶴を作れて満足でした。
ひとつ思ったのは、巨大な折り鶴を手にすることで実感した“自由”という概念。鶴を折った新宿や、京菜に移動中の地下鉄、あるいはで、巨大な折り鶴なんか持っていたら怪しすぎで絶対に職務質問されるだろうなと思ってたんですが、 誰にもなにも言われませんでした(たまに白い眼でみられましたが)。

うへへへへ。

最近、都市部では強引な職務質問が問題になったりもしましたが、いやあ、そんなこと全然ありませんでした。
誰にでも巨大な折り鶴を折る自由があり、またそれを持ち歩く自由もある。そんな訳の分からないことをする自由があるなんて、日本は本当に,良い国だと思います。

せっかくですから、あなたも大きな鶴でも持って自由を満喫してはいかがでしょうか。

京菜さん、ご協力ありがとうございました。

 



 

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