朝の新橋駅にやってきた。通勤する人々で混み合う駅のそば、ニュー新橋ビル前にある銅像の前がハトのたまり場らしい。
「でかっ!」 近づいてみて驚いた。こちらのハトのみなさんはほぼ100%の確率でお太りでらっしゃる。ウズラか、きみたちは。朝の忙しい時間だけにエサをやる人は見かけなかったが、誰かが定期的にえづけしているとしか思えない。丸々だ。
ビール腹を気にするお父さん達とシンクロしたそのフォルム。さすが新橋のハト。
銅像の周りをぐるぐる歩き回っていた。人に慣れているのか、体が重いのか、かなり近づいても物怖じしない。
歌舞伎町の人々とハト
続いて歌舞伎町へ。朝10時だというのに飲み屋前では呼び込みの方が。酒場に暮らすハトは今。状況をゴミを片づけていた隣のパチンコ屋のスタッフの方に聞いてみた。
--あのー、ハトなんですが、最近増えたり減ったり何か変動ありますか? 「え? いやー、どうすかね。あの辺のおじさん(野外生活者の方々)に聞いた方がいいと思いますよ」 --……え? あの方々に? 「うん。バーってエサまいてますから。こないだハトの鳴き声で腹の減り具合が分かるって言ってましたよ」
結局勇気がなくてインタビューはできなかったのだが、どうも特定の飼育者の方がいる模様。
かなり早いスピードでせわしなくそこらをつついていた。こちらも物怖じしない。だいたい1mぐらい近づくとソロリソロリ離れていく。
東大生とハト
降り幅も大きく、続いては東京大学構内に。はじめて東大に入ったが、理由は「ハト見に」。誇ろう。探してみると、かの安田講堂の前に10羽ぐらいのハトの群れが。側のベンチに座っていた学生さんらしき男性にハト事情を聞いてみた。
--すみません、この辺って結構ハトいますか? 「? ハトですか?」 --あ、ええと、ちょっと東京のハトについて調べてるんですが… 「いやー、気を付けて見てなかったんで…わからないですね…」
残念ながら参考になる証言は得られず。しかし東大生と喋れたからよしとしよう。ハトをだしにナンパしたみたいになってますが気にせず次へ!
ハトと一緒にスズメとカラスも地面をつついていた。他の鳥が同時に視界に入ってくる現場はここだけであった。あ、ネコもいた。東大では動物同士が仲良くやってるということが分かった。
力士とハト
両国のハトである。毎日まわりに力士がいる生活を送っていたら、私だったら勘違いして油断して太っちゃうかもしれない。ハトはどうか。
国技館を覗いたがハトの姿はなし。周りにもその姿はなかった。駅前でちらほら見かけたハトを観察した。
見る限りでは美しいハトが多い。力士を反面教師にした結果かもしれない。もしかしたら、エサがないんだろうか。力士がみんな食べちゃうから(全体的に勘違いしてます)。
萌えとハト
両国から近いものの集う人々は180度違う街、秋葉原へ。日曜の歩行者天国にたくさんハトがいた記憶があったのだが、行ってみると、いない。
秋葉原っぽい景色とハトが一緒にうつった写真をとりたくて粘って歩いてみたが、結局見つからなかった。しょうがないのでメモリスティックDuo128MBを買ったら安かった。
確かに電気街ではエサも少なかろう。それでも公園や駅前にハトの群れを発見。
メモリスティックが安いだけではハトは生きてはいかれまいだろうに、意外にも大型で太めのハト多し。
そして誰もいなくなった・武道館のハト
全体を通してみてやっぱり都心部でハトは以前より減っているようだ。今ハト被害が訴えられているのは主に郊外の住宅地。そっちに流れたのだろうか。もうハトのことしか考えてません。
そして、日本武道館のある北の丸公園ではついに一羽もハトがいないという状況に直面した。ハト以外の鳥はたくさんいて、いろいろな鳴き声が聞こえるのだが、「ぽーぽーぽぽー」というあの鳴き声は聞こえない。
駐車場の方に聞くと、ここ数年ですっかりハトはいなくなったという。うへー。
なお、武道館のすぐ隣には靖国神社がある。群が統合されたのだろうか。
ハトについての情報を得るノウハウ。いつか何かに役立つといいのだが。
調査をつづけるうち、ちょっと不思議なハトスポットがあることが分かった。