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特集


ちしきの金曜日
 
養老の滝は居酒屋だけじゃない

来た道を戻り始めると雨足は弱まり、雲が散ってゆく。最初のおみやげ屋にさしかかるころには薄日すら差してきた。 が、夏休みも終わったからか、店は閉まっていた。

その向かいに民家があったので、こんなところに人が住んでるんやなーとぼんやりと感じたが、表札を見てびっくり。「養老サイダー株式会社」だった。


ここに これ

民家でも株式会社なのだ。それも「養老サイダー」。なにかとても滋養がありそうなサイダーだ。飲みたいなぁと思いながら駅への道を下ると、店先で飲料水を冷やしている店があった。そこにもちろん「養老サイダー」もしっかり冷やされている。


わき水で冷え冷え

「おっちゃん、サイダーちょうだい。」

「好きなの抜いて。お客さん、関西の人?」

「あ、大阪から来ました。」(何故か標準語風)

「わざわざよう来たねぇ。店に入って椅子に座って飲んでください。」

「あ、ありがとうございます。」

すぽん!と栓抜きでフタを取り、ごくりと養老サイダーを飲む。ん、んまい。ごくごくと半分くらいまで飲んだ。甘いけれど、やさしい味だ。他の炭酸飲料と違って、飲んだあとに水やお茶を飲みたくならない。ラベルを見ると、養老のわき水とグラニュー糖だけでできているらしい。グラニュー糖で甘くしてあるのがポイントなのだ。きっと。


美味しく頂きました。必飲!

薄日の差す道をとことこと駅へ向かう。雲の隙間の太陽を見ると、行きのどんより気分が嘘のように感じる。足取り軽く近鉄養老駅に着いたらもう5時だった。そこから大阪までは正味2時間。乗り換えを考えると3時間弱。


すっかり雨のあがった駅

「『養老乃瀧』の養老ビールもいいけど、養老サイダーもうまかったなぁ。」そんなことを考えながらごとごとと電車に揺られると、いつのまにか眠ってしまっていた




まとめ

ここで汲んだ水をひょうたんに入れておいたら、お酒になったという言い伝えがあり、それが居酒屋の名前になったようである。本当だったらいいのになぁ。
「ひょうたんから酒」

 



 

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