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モノレールの車窓から

おもろまち駅〜首里駅 −歴史の町、首里−

那覇の繁華街を過ぎると、この先の区間は少し小高い丘陵地になっていて、その丘の斜面に沿うように閑静な住宅街が広がっている。おもろまち駅ではすぐ隣に巨大なビルを建設していた。なんとこのビル、免税店ができるらしい。国内なのに免税?と不思議に思うところだが、沖縄では沖縄型特定免税店制度という法律に基づいて、一人20万円まで免税扱いで買い物が出来ちゃうのだ。奥さん、ブランド品買うなら沖縄ですぜ。

ゆいレールは大きくカーブを描き丘陵地へと向かう。市立病院前駅はその名の通り市立病院の目の前の駅、というか病院と駅とが渡り廊下で直結している。市立病院前駅から首里駅へと向かう区間は車窓から遠くに首里城が見えた。首里駅は近くに中学校があるということもあってか、周辺には学習塾が点在している。歴史の町首里は教育の町でもあるのだ。あ、それから沿線の住宅はガーデニングに対する力の入れようが半端じゃなかったです。

おもろまち駅の隣にそびえたつ建設中のビル。駅が日陰になっちゃうほど巨大。
その正体は巨大なDFS(免税店)。そういえば那覇空港にも国内の空港では唯一の免税店がある。沖縄は買い物天国なのだ。
この先ゆいレールは閑静な住宅街へと進む。遠くに首里城が見えた。
市立病院前駅は構内から渡り廊下で市立病院へとつながっている。廊下には段差がなく車椅子に乗ったままでもスムーズに通院できる。バリアフリーだ。
市立病院前駅に張られたメッセージ。この辺りの人は公園をあまり利用しないのだろうか。もったいない、沖縄一なのに。
この辺りから車窓には首里城が見えるようになる。小高い山の上に建つ赤い屋根が印象的だ。
沿線の住宅は屋上でガーデニングを楽しんでいる家が多かった。それにしてもどの家も気合が入っている。まるで屋上が地表で地下に住んでいるみたいだ。なかには屋根一面に敷き詰めた芝生に座ってビールを飲んでいるお父さんもいた。
そしてゆいレールの終着駅、首里駅に到着。いつの間にか駅名の書かれたパネルの色も赤紫に変わっている。冠位十二階でいうと高い方の位の色だ。さすが首里、歴史の町。
首里駅の周辺には学習塾が多かった。これは数学専門の塾。全体的に四角い感じがします。
こちらは中学生高校生を対象とした受験対策の塾。受験生は単語帳とか見ながらゆいレールに乗って塾に通うのだろうか。
ゆいレールは首里駅で方向転換をし、那覇空港へと戻っていく。筆者も車を空港に置いてきたのでこれに乗って帰ります。
ゆいレールの先頭の席は運転席が丸見えなのでまさに「電車でGO」状態。子供は夢中です(実は筆者も夢中でした)。


歴史と教育の町、首里

首里駅を降りると目の前に首里城が!と期待していたのですがそうではなかった。首里城へは駅から歩いて約12分かかるらしいので今回は涙を呑むことに。というのもこの取材で筆者は延々と電車の乗り降りを繰り返し、15の駅全てに降りて周囲を散策し写真を撮りまくった。首里駅についた頃にはたぶん2キロくらいは痩せていただろう。

そんな抜け殻のような筆者が首里駅のホームで帰りの電車を待っていると、中学の野球部らしき集団が若さを爆発させながら階段を上がってきた。ポカリスエットのでかいボトルを鷲掴みにし、キックボードに野球道具を入れたバッグを乗せている。そんな彼らのエロトークを聞くともなく聞いていると、電車通学をしていた頃の甘酸っぱい思い出がよみがえってきた。たぶんこいつらも満員電車でどこからか漂ってくる女子の匂いを嗅ぎ分けたり、すれ違う列車に乗ったお姉さんに悶えたりするんだろうな。若いっていい。

乗り遅れる!っていう感覚もなんか新鮮

ゆいレールは市民の思いを乗せて走っていました

バーチャルゆいレール沿線の旅、いかがだったでしょうか。筆者も沖縄で暮らすようになってからは移動手段はもっぱら車で、あの電車に揺られるという感覚からは遠ざかっていました。ゆいレールはそんな筆者になにか懐かしい感触を思い出させてくれました。

ゆいレールはこれからもたくさんの人たちと一緒に大切な思い出を作っていくことでしょう。これからの沖縄はこのゆいレールと共に発展していくのです。未来を乗せて走れ、ゆいレール!


 

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