旅は人情旅行の様相に
ブツ切りの唐揚げは100gだとだいたい2個。
新しい知識を手に入れ、お腹が張るといけないのでひとつ食べて次の店へ。徐々に曇っていた空が晴れてきた。風もだいぶおさまっている。唐揚げの神が降臨したのか。
次の店、からあげ徳さんは実家の台所の壁の一面を取り払ってショウケースを据えたような店だった。ショウケースの中にはお総菜が入っていて、メニュー書きはない。
唐揚げを100g注文するなり、店のおかみさんに土地の者でないことがバレた。どっから来たの、と聞かれて東京からだと言うと、驚いて、ゆっくりしてけとコーヒー牛乳を出してくれた。
さらに食べな、と買ったのとは別に唐揚げを一ついただく。おお、ありがとうございます。がぶ。……ウマい!衣が軽くてすごく肉がやわらかいですよ!
「味付けは一味とニンニクだけ。あとは土地のいい素材を使ってれば美味しいものなんて簡単にできる」
おかみさんは美味しいのは当然とニヤリとした。どこかクールな物腰。本当はもっと貯金してはとバスに乗りまくりたいのだが、なかなか利益が上がらないんだそう。きっといい素材を使ってるんだろう。
「(以下大分弁で)でも美味しいもの作って人に喜ばれた方がいいでしょ」
カッコイイ!私も台風などに負けず頑張って唐揚げ店を回ろう!そうすればきっと誰かが喜んでくれるはず。誰かって、私が唐揚げ食べて喜ぶのは私だけか。
からあげ徳さん
大分県中津市大字上宮永4
0979-25-1234
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