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ちしきの金曜日
 
ある着ぐるみ(Zくん)になってみた日

今週水曜日、クリスマス特別企画として、当サイトのキャラクター、Zくんの着ぐるみが街を歩きました……今回はその舞台裏のお話です。着ぐるみを着たことによって、あらゆる人に「笑顔」を向けられたWEBマスターの心境は、どのように変わったのか!?

(text by 大塚幸代





「マジンガーZか?ときかれるZくん


大塚:今日はですね、Zくんの着ぐるみでのメイキングについてですね。
あれ、ボール紙とフェイクファーで作ったんですよねえ。球体を計算式から出して、林さんの頭にぴったりにして。32枚はぎの布を手縫いで。

林:作るとき、かばんからズボンから、オレンジの毛だらけになりましたね。接着剤とれないし。
大塚:これ、なんで作ろうと思ったんですっけ?
林:大塚さんが作りたいと言ったのでは?
大塚:そうでしたっけ? 
林:大塚さんは、以前から着ぐるみに入りたいって言ってましたよ。
大塚:でも「Zくんは俺以外はやれない!」って言って、入らせてくれなかったじゃないですか。
林:あ、Zくんは、僕だから。
大塚:……そっすか。


大塚:最初、新宿でかぶったときの感触は? 風景に溶け込みましたよね、すぐに。
林:テレビ見てるみたいだったかなあ。街を覗いてる感じで。
大塚:はずかしくはない、と。
林:そうそう。ぜんぜん恥ずかしくない。むしろ大胆になれる。
大塚:さいしょコドモにウケたときは、どう思いました?
林:……めんどくせえなあ、と。
大塚:そんな。満面の笑顔で寄って来るコドモに……。しかし丸くて毛が生えてれば、なんでもいいんですかね、コドモは。
林:「なーにー、これ? なーにー」って聞かれましたよ。でも説明が面倒じゃないですか。インターネットから説明しなければならない。
大塚:大人に説明するのも難しいですもんね。
林:でも小学生のときは、「これ、ネットで大人気のキャラなんだぜ、しらないとヤバイよ」って言ったら信じてた。
大塚:あ、そうすか……しかし「小学生の相手をしてやるZくん」「『気をつけてかえれよー』と兄貴風をふかすZくん」などが見れて、感激しましたよ。いつも林さんなら……ありえない光景、ですよねえ。
林:んー、「なりたい自分になれる」って言うのかなー。
大塚:写真撮るときも、美人に、ごく自然に肩に手をまわしてましたよね。
林:そうそう。ふだんの僕じゃありえないですよ! そんなことできたらちまちまホームページなんて作ってないです!
大塚:あ、そうすか。着ぐるみの「みんなが笑顔で迎えてくれる」って効果は、やっぱ絶大ですねえ。
林:頭の中ではずっと「世界でひとつだけの花」が流れてましたから。ピースフルな気持ちになってましたね。会社の会議も、みんなアレかぶってやったらいいと思いますよ。

林: そういえば何度も「マジンガーZか?」と聞かれましたねえ。
大塚: あれって……もっと、とんがってなかったですか?
林: いや、まるっきり違う形ですよ。永井豪先生に失礼です。でも3人ぐらいに、「マジンガーZか?」と。
大塚: まー「Zといえばマジンガー」なんですねえ。
林: ドラゴンボールじゃないんですね。
大塚: そうねえ。ドラゴンボールは人間っぽいですしねえ。
あ、Zくんてロボットっぽくないですか? 人造人間とか、不幸の香りがちょっとしますよね。

林: ああ。しますね。
大塚: それ、モテ要素ですよね、不幸の香りって。
林: そうそう、「Zくんなんかかぶってモテるんだったら、スケバン刑事の鉄仮面もモテただろう」って、僕、思いますけどね。
大塚: いやあ………ヨーロッパの拷問で、変な仮面をかぶせて、笑われて、辛い目にあわせる、っていうのもあったと思いますよ。
林:拷問? へえー。
そういえばZくん、影が怖いんですよ。ポップで人気者だけど、影に本来のすがたが現れてます。
大塚: 古谷実の描く変質者っぽいような……異形ですよねえ。あの頭、毛じゃなくてヘルメットみたいな質感だったら、コワイですよねえ。きっと。
ていうか、口がななめについてるのもちょっと、邪悪ですよ。

林: なんでななめ口がかわいく見えるんですかねえ。


 

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