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特集


ロマンの木曜日
 
パラッパラッパーを作った人と…



七音社スタッフのみなさん

「僕たちはコンピューターを使ってものを作ってる訳ですけど、その作る環境っていうものが与えられたものしかない、っていうのが嫌だった、って事もあります」
サンプリングの楽しさを味わう反面、松浦さんはアプリケーションの画一的なGUIに強い違和感を感じていたという。

「良く行くお寿司屋さんの板前さんが凄い小さい包丁を使ってたのね、だから、随分小さい包丁使ってますねって聞いたら、違うよ、研いでいるうちにこんなに小さくなっちゃったんだよ、って果物ナイフみたいな包丁を持って言っていて。道具ってそういう手に馴染む感覚がいいのに、コンピューター上のツールにはそれがないじゃないですか」

そういう違和感を打破する為にも、松浦さんの作品は「映像」「音楽」「プログラム」の3つの要素が三位一体でないといけない。それにより、手に馴染むツールの様であって、ゲームの様でもあり、パッケージの様で非パッケージでもある。そんな曖昧な境目に、他の人とは違った角度で斬り込む様な作品を作っているのだ。


松浦さんのデスク

「ミュージシャンっていうのは、ギタリストとベーシストとドラマーがいればコミュニケーションが完結しちゃいがちなんですけど、僕の場合はたまたまそれが、グラフィックの人とプログラムの人と、っていう組合せだったというか。そういう編成で、ギタリストとベーシストとドラマーと、っていう関係になんないものかなあ、と。そういう実験をしているのが七音社なんだと思います」


七音社の社内ネットワーク画面

七音社にはプロジェクト関係者しか見る事が出来ないネットワークがあり、wikiを使って新しいプロジェクトの発想などが語られている。
「Voice Of Matsuura」という掲示板では、松浦さんの漠然としたイメージや、考えた方、ビジョン……色々なものがアップされる。

松浦さんのデスクの上には小さなモニターがあり、そこに新作ソフト「モジブリボン」が流れていた。


七音社さんの新作「モジブリボン」の画面

モジブリボンはプレイステーション2用のゲームソフトだ。自分で作った文章がオートラップという仕組みによりオリジナルのラップになって、それがゲームのステージにもなる。
また、この「モジブリボン」で初めてオンラインに対応していて、ネットワークにつなぐ事で友だちとラップでメール交換が出来る。

(モジブリボンの詳細はこちらへ https://www.playstation.jp/scej/title/mojibribon/

「ネットワークって情報を引き出す為のものじゃないと思うんですよね。ネットワークの面白さは、ダウンロードにあるんじゃなくて、アップロードにあるんでしょう」

「情報を引き出したい、っていうモチベーションよりも、今、ここで主張したいんだ!っていうモチベーションの方が遥かに高い。今は、その辺ところが、ちゃんと盛り上がっていないのかもしれません」
モジブリボンはそういった意味で、自分の作った文章をアップロード出来る所にも面白しろさがある。


おぎわら遊戯場からのコメント
ラップのかっこよさや、いい意味でのかっこ悪さみたいなものを、自分の言葉で自由に楽しいめるところが「モジブリボン」の魅力ではないでしょうか。
僕もいつか「オギブリボン」という音ゲーを作れたらと思っています。

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この「モジブリボン」であの写真の件を伝えるのはどうだろうか?
ラップのリズムで言い訳。

いや、駄目だ。
面と向かってちゃんと話さなくては……。
分かっていても、松浦さんのお話を聞けば聞くほど弱腰になっていく。



 

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