カレーではない
基本方針としては、「りんご主体」「一気に全ての材料を混ぜず、様子をみながら配合を考える」だ。
まず、ゆでた青物野菜とりんごをミキサーにかける。いっぺんにいれたら刃が空回りして粉砕できない。いったん材料を全部取り出して少しずつ投入。全然なってない。
相転移みたいだ。まるで歯が立たなかったのが、ある時点をこえると一気に粉砕しだす。ビッグバン以前と以後、という感じ。
一度フタをとり、匂いをかいでみた。
「・・・」
なんだか、学校帰りに寄り道した草むらの匂いがした。
そしてにんじんを入れていく。が、なかなかあのきれいなオレンジ色に近づいていかない。ハードワークでミキサーから焦げ臭い匂いがしてくる。全て投入したが、なんだかビジュアルはキーマカレーみたくなっている。
もしくはカレーの材料。あ、これカレーに入れたら旨いと思う。先生はもう別の方を向いている。
デイリーポータル製法
買っておいたのに全然使わずじまいだった「ふきん」の出番がきた。ふきんをよく洗い、少しづつその中にドロドロの原料を入れてしぼっていく。乳搾りのように。こういう工程を想像してはいたが、やっているうちになんだか変な気分に。私は今何を作っているのだ。
予定外に時間がかかったが、全部しぼり終えた。ボールいっぱいの、くすんだオレンジ色の生暖かい液体がそこに。これは、ふきん洗ったときのの水分の他にはいっさい水を加えていないのだ。野菜の水分のみ。
と、ここで時間切れ。6時、もう終了の時間だ。
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