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特集


フェティッシュの日曜日
 
ハイテンション田舎暮らし

つげ義春の漫画のワンシーンか。

家に入ると

家に入ると玄関の壁一面に父の自作の面が飾ってある。

よく「探偵ナイトスクープ」でパラダイス系と呼ばれる公園が登場する。地方でちょっとかわった人が理解しにくい作品を展示しているところだ。

テレビでは面白おかしく紹介しているのだが、僕は父の姿がだぶってしまって素直に笑えない。

 

ボブサップ?
これにいたってはなにがなにやら


これが彫刻になる

 

木材の入手方法

この面や彫刻の材料となっている木材は路肩の木を切っている人にいきなり「捨てるんならくれ」と交渉してもらってきたものだ。トラックで製材所まで運んでもらい、角材にしてから使っている。その人には

「タダじゃ悪いからお礼に焼酎あげたよ」

だそうだ。

 

冷蔵庫が3つ
扉を開けると秘密の作業スペースが!
モーターから伸びたワイヤの先に紙やすりをつけた。なんでも高速に手元で削ることができる。

道具は冷蔵庫のなかに

物置の脇に冷蔵庫が横に3つ重ねてあった。なんとここが工房である。

冷蔵庫の扉の裏面にはモーターやドリル、電動ノコギリがセットされている。扉を開けてテーブルのようにして作業するのだそうだ。

手元で使えるようにしたドリル(歯医者のドリルを巨大にしたようなもの)は洗濯機のモーターを改造したものだった。冷蔵庫を開けると洗濯機のモーター、時空のゆがみは最高潮に達している。

 

趣味だけど大量生産

そう、父の彫刻は大量生産が特徴である。電動工具を駆使して(たまには工具から自作して)、スピーディに作る。塗りもかつてはエナメルを溶かしてそこにつけることで一瞬で済ませていた。焼き鳥にタレをつけるように。

ただ、エナメルの溶剤にガソリンを使用していてあまりに危険(爆発の可能性がある)なので、それだけはやめてくれと反対した記憶がある。

趣味のはずの木工細工に効率化と大量生産を実現したため、父の作品は増加の一途をたどっている。

しかしあの冷蔵庫はどこで手に入れたんだ?

 


 

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