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エキサイティング火曜日
 
実録 火渡り祭り修行

山にこもったり滝に打たれたりと、「修行」というとなにかしら無茶なことをするわけだが、その中でもわかりやすくハードなのが火渡り修行。

祀ってある不動明王が修行者を守るということらしいが、基本的にはがまん大会に近いのではないだろうか。

これまで巧みに修行の類は逃れてきた私だが、人がそれにいそしむ姿を見学するのはオールライト。今日の特集は千葉県天津小湊町の浪切不動尊で行われた火渡り祭り修行の様子をお届けしたい。

(text by 法師丸

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す、すいません
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ほんと、すいません

いきなり怒られた感じ

当日は修行が行われるよりも少し早めに会場に到着。気楽に訪れた私を入り口付近の石像たちが迎えてくれた。

いや、迎えてくれたというにはおっかない顔でこちらをにらみつけている。不動明王を祀ってあるだけあってか、街角のお地蔵さまのようななごみ系とは一線を画すハードな石像。

中には顔が三つもあって炎を背負っているものまである。なんでそんなに怒っているのかはわからないけれど、とりあえず謝っておこう。

それが私が人間界で学んだ処世術だ。

別に悪いことをしたわけではないとわかっていつつも、どの顔にも怒られているような気がする。石像は自分を映す鏡なのである。


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普通にうまい大判焼き
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微妙に味のある字

割とゆるめのテンション

とは言え、石像ゾーンを越えると全体的にのんびりとした雰囲気。大判焼きの店も出ていたりして、普通にお祭りの様相もある。さっきまで石像にペコペコしていた自分を忘れて、ひとつ買ってみた。

これから火渡りする人もいるのに、のん気に大判焼きを食べる。これからも私は大判焼き側の人間でいたい。




大判焼きの脇のテントでは、火渡り祭りのテレホンカードも販売中。携帯電話全盛のご時世、テレホンカードを使う機会というのはずいぶん減ったが、そんな趨勢とは関係なく火渡りテレカを買ってこそ真の火渡りファンだと言える。

個人的にはそんなに思い入れはないのでここはスルー。


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届け!この願い!(おすしが食べたい)
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選手たちの入場

同じテント内では「なで木」と呼ばれるものも売られていた。開運招福・心願成就などのご利益があるこの木。個人的には「おすしがたらふく食べられますように」と願いを込めて丁寧に名前を書く。

さらに、この棒で体の悪い部分をこするとよくなると言われているらしい。最近ときどき、トイレで用を足すときに痛みを伴うことがあるのだが、そういうのでもいいのだろうか。

しかし周囲には修行を見に来たたくさんの人たち。こんなところで悩みを抱えている部分をこすってしまったら、結果的に自分の病状をカミングアウトすることになる。

大人の判断で悩みは内に秘めておくことに決定。

そうこうしているうちに開始を知らせる鐘が打ち鳴らされた。山伏のようないでたちのお坊さんたちがやってきて、いよいよ修行がはじまりだ。

 

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