水道橋も、ポケモンスタンプの列で人がいっぱいだった。
水道橋をぬけると、また専門学校や大学の多い地域に入る。やはり体験入学をやっていた。生け花の学校のそばには、花をかかえた女性なんかが歩いていた。 大学の植え込みには、注意書きがあった。
そういえば、中央線を歩くなか、猫はまだいっぴきも見かけていかなった。見たのは鳩と、ゴミをあさっていたカラスだけ。猫は都会すぎると、住みにくいんだろうか。
秋葉原まできて、万世のカツサンドを食べることにした。
うまい。疲れているときには、何でもうまい。
秋葉原、神田まで来てしまえば、東京駅まではあっという間だ。ガード下の古い店を横目にみながら、ずんずん歩いていく。「天の岩戸」という名前の店があった。わかりにくい、入りにくい場所にあったので、ぴったりのネーミングだと思った。
東京駅には17時に着いた。休憩も入れて、4時間30分ほどの道のり。
私たちはこのあと、ビールで乾杯した。でも飲んだビールが苦かった。「もしや」と思ったら案の定、翌日、体調を崩して寝込んでしまった。情けない。
翌々日、歯医者の待ち合い室で、健康雑誌の広告を読んだ。 「心の病は歩けば治る! からだの病気がもっと治る!」 ほんとかよ、と思いながらも、また歩きたくなった。歩くだけで元気になれるなら、もっともっと歩きたい。歩かせてくれ。