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特集


ロマンの木曜日
多摩川ロケットボーイズ

■バーベキューな人たちを尻目に発射準備

ペットボトルロケットの打ち上げには広くて障害物のない場所が必要だ。

「打ち上げる方向に150メートル以上、幅60メートル以上、高さ30メートルの所までに送電線などの障害物がない、校庭、広い公園、グラウンドなど広い場所を確保してください。」(日本ペットボトルクラフト協会HPより)

出来のいいロケットだと150メートルは飛ぶ。バックスクリーン直撃のホームランくらいの軌道を描く訳だ。


多摩川河川敷

打ち上げのスペースを確保するため、多摩川の河川敷にやって来た。
時折雨がちらつく空模様だというのに、バーベキューセットを持った人たちで賑わっている。雨を避ける様に、小田急線の高架下に陣地を張り肉を焼く。

住「雨なのに、バーベキューなんて……」
林「バーベキューとかでまめにお皿洗ったりする女の人、僕は苦手ですね」
住「何でですか?甲斐甲斐しくていいじゃないですか」
林「うーん、そもそも休日にバーベキューって発想自体ないですから」
住「ああ、それは確かにそうです」


肉の焼けるいい匂いがしてくる

住「肉が食べたいんなら、焼肉屋行けばいいのに」
林「本当ですよ、あの人たちなんて、ひとり一脚ずつ椅子用意してるし」
住「今すぐここで生活出来るくらいの装備ですね」
林「せっかくの週末に、わざわざ、ねえ……」
 
2人ともこれからペットボトルロケットを発射しようとしている事は棚に上げてバーベキューを批判している。
発射準備の前に、土手に座ってマクドナルドを食べていると、肉の焼ける匂いが風にのってやって来る。

続々とバーベキュー軍団が……

林「なんだか続々とやって来ますね」
住「人が増えると危ないですかね」
林「肉に夢中になっているうちにやっちゃいましょう」
住「そうですね、今から1時間くらいが勝負ですね」

エンジンタンクに水を注ぐ

ロケットのエンジンタンクに400cc程度の水を注ぎ、発射台に設置する。

ソーレッ!

林「あっ、あそこ、バレーボール始めましたよ」
住「雨がやんで来たからみんなこっち側に出て来ましたね」
 
林「……」
住「あっ、駄目ですよ!!」
 
林さんがロケットの向きをバレーボールを楽しむ若者方面に向けた。
 
林「あっ、す、すみません。つい……」
バーベキューやバレーボールを楽しむ人たちに背を向けて、いよいよロケットを打ち上げる時がやって来た。

発射準備は整った


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