旅立ったわりには近場の山手線から始まるのだった。
観察計画:
まず東京駅から山手線の内回り線に乗り、内側を観察(外回り電車に視界をさえぎられるのを防ぐため)。1周したら外回りに乗り、外側を観察(のちにこれがアダとなる)
観察ポイント:
今回取材に協力してくれたYさんに、対象物の見分け方を言い含める。
・ 人の住んでいそうな物件であること(ボイラー、給水タンク、物置などに惑わされるな)
・ あきらかに宿主のビルと不釣合いな外観であること
観察開始:
観察前から大体アタリはつけていた。多そうなのはなんとなく北側の一帯であろうと。
乗り込んですぐ多忙になる。走る電車からピンポイントで物件を見つけ出そうというのだから、雑談の暇もなくなり2人とも無言で車窓にカブリつく。
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筆者。最前列カブリツキ。ドア際を死守。 |
東京駅周辺のビルにはなさそうだ。当たり前である。丸ビルとか国際フォーラムとか、もし住んでるなら、それはかなりの訳ありな人だ。その辺の土地の有力者とか。オープニングキャッチの為の鳩を大量に飼ってるロート製薬の人とか。
だんだん目標物の特定にブレが出てくる。「雑居ビルの屋上の物件」ということだけにとらわれて、「ゴルフ練習用ネット」「イナバ物置」もカウントしそうになり、ちょっと待て、基本に帰ろうじゃないか。
巣鴨を過ぎてから、車窓は全面石垣という景色に。建物が見えない!外回りで外側見てんだからよく考えたらそうなるのだ。どうしよう、でもこのまま行くしかない。
次の1周は内側を観察。しかし意外と物件は少ないのだった。あまり数のバラつきもない。
観察結果:
2周した。山手線1周するのも初めてなのに、酔って寝過ごしてもいないのに2周、2時間也。東京から名古屋まで行けてしまう。あるいは東武線で浅草から終点赤城まで。
山手線で捕捉することのできた目標物件たち。
さて、外側からの観察はさておき、私としては物件の内部や、建っている屋上の様子などが気になるところだ。住んでいる人の感触を知りたい。あの人と同じ空を眺めたい。
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