僕はタマゴが大好きだ。茹でても、焼いても、炒めても、もちろん生でも。1日何個 食べても飽きない。そんなに好きなタマゴなのに、どこの誰がどうやって生産してい るのか全く知らない。それってタマゴに失礼じゃないか? という訳でタマゴが出来てから店頭に並ぶまで、を追跡します。 (text by 住正徳)
■六本木で見つけたタマゴは埼玉で作られていた
まずは六本木のスーパー「Foodexpress」に向かった。夜通し賑やかな外苑東通り沿いにあるこのスーパーは24時間営業。繁華街にポッカリ浮かぶエアポケットの様な空間だ。
午後7時。 スーパーの中はそれほど混雑しておらず、外国人の姿が目立つ。
生鮮食品売り場には何種類かのタマゴが陳列されていて、それぞれ手に取り生産元を確かめる。 その中で一番気にかかった商品が
「生後450日までの元気な若鶏のたまご」
生産農場は(株)愛鶏園とあり、住所を見ると埼玉県大里郡岡部町となっている。 埼玉県ならそれほど遠くない。
そうだ、埼玉、行こう。
上野からJR高崎線に乗り1時間30分。 岡部駅に降り立った。
事前に連絡を取っていた愛鶏園の斉藤さんに駅から連絡を入れる。
「タクシーで20分くらいで着きますから」
駅前には黒塗りのタクシーが何台も客待ちをしていて、運転手さんが外でタバコをふかしながら談笑している。
「あの、愛鶏園って分りますか?」 「ああ、あのニワトリ屋さんね」
タクシーは一路愛鶏園に向かう。 これから行く所で六本木で手にとったタマゴが作られている。