あっさりゲット?
針に気持ちの悪い虫をつけて、水中にほおる。虫に触るのは、全然平気だ。
とお!
無事フィッシュオン。
これでいいのかなあ、と思いながら、竿をそのまま置いて、トイレに行った。
戻って竿をあげてみると………。
お?
……いきなり釣れていた。
手ごたえも何も感じられなかった、なんだこれ、こんな有り難みのないものなのか? と思いながら2投目。
あれ? エサだけなくなってしまった。よし、3投目。4投目。5投目……。
(1時間経過)
あー、全然だめだ、またエサを替えなくちゃ、と竿を上げたら、釣れていた。
わからん!
ウキがピクピクっとなってから、引き上げるまでのタイミングが、さっぱりわからない。
「このエビのリズムがつかめたら、エビ釣り名人になれるんだ、そうに違いない!」
私は無心に竿を投げ続けた。
何も考えていなかった。ただただ、水面とウキを見ていた。
(さらに2時間経過)
「大塚さーん、集中しちゃって、トランス状態に入ってるでしょ、あははははは」
実はこの日、当サイト木曜日担当の住さんも、同じ場所で取材を敢行していたのだ。テーマは「強い酒でピクニック」だ。(編集部注:7/10掲載予定)
「これ、飲むといいですよう」
得体の知れない、透明の液体を、紙コップにもらった。
口をつけると、小雨で冷えきった身体が、ぼぼぼぼぼとあつくなった。
(さらに1時間経過)
結局、釣果は4時間で6匹………。
うまい人は100匹もとるらしいのに。無念だ。
しかし妙な充実感はあった。
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