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特集


フェティッシュの月曜日
下から見あげるモノレール

がーっとやってきて

昆虫の腹のようなモノレールの底

ラッピングされてました

スーツの男性で満員です。

東京モノレール

むかし田町で働いているとき、会社と駅のあいだにモノレールの線路が通ってた。夜11時過ぎに駅に向かって歩いていると、頭上をモノレールがしゅーっと走った。蛍光灯の白い光をはなちながら。なんてわかりやすい。

モノレール:飛行機。遠いところ。非日常。
僕:残業で終電。

どこの空港でもそこに行く電車はうかれた形をしている。ラピートとか成田エキスプレスとか。成田エキスプレスなんて通過するときに音楽を鳴らしている、浮かれすぎだ。

東京モノレールは千葉や多摩のモノレールに比べて低いところを通っているので、下から見上げるとモノレールの底に手が届きそうだ。モノレールの底は暗くてよく見えないが、タイヤやモーターらしきものが詰まっているのがかすかにわかる。

なにかに似てる。これは昆虫のハラだ。

足がたくさんある昆虫がレールの上をわしゃしゃしゃしゃと滑っていくようだ。

キラキラした乗り物の下には見てはいけない闇。


乗ってみる

モノレールは羽田に向かうサラリーマンでいつも満員だ。

浜松町周辺ではビルの合間を通る。ビルの窓からよその会社が見える。白いワイシャツの人が黙々と働いていた。芝浦工大の開けっ放しのドアからはリノリウムの廊下が見えた。覗き見パノラマビュー。

芝浦あたりのビルの非常階段でタバコすってサボってる人と目があった。

あの人はいつもモノレールを眺めながらタバコを吸っているのだろうか。僕と同じようにモノレールに過剰な思いを抱いているのかもしれない。

 

 

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