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特集


はっけんの水曜日
「プチ断食」の3日間
おかゆを用意

いまテレビや雑誌で話題の「プチ断食(ファースティング)」。週末を使って、自宅で断食するというアレだ。

「そんなの、耐えられるのか? 断食なんて、専門の療養センターでやらないと、無理なんじゃないのかなあ?」
最初はそう思っていたのだが、体験者の感想を読むと「身体スッキリ、便秘解消、体重ダウン、お肌ピチピチになりました!」と、良いことずくめ。
本当なんだろうか? お金も道具もいらない、こんな安上がりな健康法って、他にないじゃないか!
……興味が湧いた。私も思いきって、挑戦することにした。
でも、そううまくいくのかしら?
(text by 大塚幸代

註:この実験はライター大塚さんが独自に行ったもので、特に読者の皆さんにすすめるものではありません。真似をして健康を害しても「 デイリーポータルZ」は責任を負いかねますので、ご了承ください。


ウインナーそば。なんだこれは。

 

 

定食屋でゴハン半分。見た目多そうですが、実際はかなり少量です。

 

 

自家製野菜スープ。具は野菜だけ。

 

 

水、おかゆは準備。

綿密な計画を練る

プチ断食といっても、テキトーにやって、身体を壊してはいけない。
まずはネットや書店で、断食の資料を読み込んで、自分でスケジュールをたててみた。

1日目 予備断食(ごはんを減らしていく日)
2日目 本断食(ごはんを食べない日)
3日目 復食(ごはんを少しづつ食べ始める日)

断食を個人でやるには、この3日間というスケジュールが限度のようだ(これより長期間やるにはやはり、プロの付き添い指導が必要)。

まず1日目は、食事の量を

・朝 通常の80%
・昼 通常の50%
・夜 通常の30%

と、減らす。3日目はこの逆で増やしていく。

いきなり断食すると、胃液がいつもの量でジャカジャカ出てしまうので「うっそ、消化するもん無いじゃんよ!」と、胃の中が無駄に荒れてしまうので注意だ。

 

さっそく実行!

私のプチ断食は、5/27より行った。自営業なので、たまたま暇な日を選んだが、普通は週末に実行するものらしい。
断食には気力&体力が必要なので、他の予定がないほうがいいのだ。

●私が実際食べたもの
1食目(10:30)
日本そば、少し量を減らしたもの
冷蔵庫にナマ物が入っていると、本断食日に気になってしまうのじゃないかと思って、残っていたウインナーを投入。変なそばになってしまった。
2食目(15:00)
おかずの選べる定食屋のチェーン店で、ゴハン半分、みそしる、ひじきをチョイス。食べて2時間くらいで小腹がすいてしまって困った。でも水を飲んでガマン。
3食目(20:00)
冷凍保存しておいた野菜スープをあっためる。空腹をまぎらわすことは出来たが、量は全然足りない。でもガマン。

夜の食事を追えて、
「いまは別にお腹すいていないけど、もう30時間くらい、何も食べられないんだな……」
と思ったら、台風の前の日のような、不安な気持ちがどんどこ湧いてきた。

 

さいしょのビッグフェーブ

深夜まで起きて、パソコンに向かって仕事をしていたら、だんだんお腹がすいてきた。
眠ることにして、横になった。でもなかなか眠くならない。眠くなるまで本を読むことにしたけれど、本にもなかなか集中出来なかった。

1、2時間ゴロゴロしていたら、最初のビッグウェーブがやって来た。強い空腹感だった。
内臓がキュウーーーッとして、ダルくて、得体の知れないだ液が、口の中に出た。普段は気にもならない治療中の歯の詰め物の味が、口の中に広がった。
空腹感をごまかすために、ミネラルウォーターをがぶがぶ飲む。すぐトイレに行きたくなった。

「冷蔵庫も戸棚の中も、すぐに食べられるものは片付けちゃったけど……お湯わかせば、食べられるもの、あるし……お米だってある……………気持ちの上では『絶対に成功させるぞ、挫折なんかしないぞお!』って決めてるけど……パニックになって、冷蔵庫をあけて、生のダイコンにケチャップかけて、かじってしまったらどうしよう……アルコールなんかの依存症の人は、毎日こんな、心との闘いなのかしら………そりゃあキツイわ………」

食べられなくて身体が苦しいことよりも「自分を押さえられないかもしれない、欲望が暴走してしまうかもしれない」という方が恐かった。

ぐるぐる考えているうちに、やっと眠れた。最後に時計を見たのは、午前3:00頃だったと思う。



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