「アンドロイドは電気ショックの夢を見るか?」
「アンドロイドSAYA」に課せられたテーマはコミュニケーション。人間と機械の間に、より情感あふれるコミュニケーションを実現させるため、東京理科大学の皆様が日夜研究に励んでいる。
喜び、驚き、嫌悪、悲しみ、怒り、恐怖、といった基本的な感情を表情で表現するアンドロイドで、開発者の小林助教授は受付嬢としての利用を考えている。
SAYAの表情を目の前にしながら、対面におかれたマイクを通して会話する事が出来るのだが、「情感溢れる」というよりも感極まってくる。 何があったんだ、SAYA? 歪んだ表情の影に暴力の匂いが見え隠れしている。
客「こんにちは」 SAYA「こんにちは」
基本的な挨拶に対してSAYAは正確に反応するが、林さんが 「お世話になっております」 と社会人っぽくせめたら 「分らないわ」 と答えた。
しばらく色々なお客さんがSAYAに声をかける所を見ていたが、ほとんどが 「分らないわ」 という答え。 多分、SAYAは全部分かっているのだと思う。 「分らないわ」と答える事を身につけ、今の幸せを掴んだのだ。
アンドロイドは電気ショックの夢を見ている。