レンタルビデオ店を出て店を見上げる。
「この店はメガネケースを模しているんですよ」
うーん、そういえばそんな気も。
「もうメガネケースにしか見えないですよ。あと、ここにとつぜん謎のUFOキャッチャーがあるんですけど。誰がやるのか不思議で。でも中身がときどき入れ替わってるんですよ。きっとメガネ君もやってるでしょうね」
だんだんここがメガネ君の舞台だと思えてきました!
*
レンタルビデオ店のちかくにドラッグスストアがある。
「ここのドラッグストアの店長がハカセみたいなんです。ハカセのモデルですから。なんかねえ、声がアニメのデブの声みたいなんですよ。ふざけたデブ声。」
ああ、寝言で「もうたべられにゃい」って言うような?
「そうそう。見せたかったんですけど、きょうはいないみたいだなあ」
用もないのに薬屋をうろつく我々だ。
「多摩って誰か有名人いたっけなあ、きたろう、いや、メガネかけてないからだめだ。あ、あれですよ、木根。TMネットワークの木根が住んでますよ。だいたい、TMネットワークのTMってがタイムマシーンのほかに多摩って意味もあるらしいですから。」
というかタイムマシーンなんですか。
「そうらしいですよ」
*
多摩とメガネを結ぶ符号を目にして、メガネ君の舞台はこの街だと思えるようになってきた。
「マクドナルドの M だって、ここではメガネの M ですよ」
ヨシダさんの口調もなめらかだ。
「4月から大学デビューでコンタクトする人が多いけど、メガネをかけ続けて欲しいですね。メガネかけ続けて、心のメガネもかけ続けて。ブッシュもメガネをかけて現実をよく見てほしいですよ」
ちなみにヨシダさんは駅ですれ違った男性に「あ、ヨシダプロだ!」と声をかけられていた(これは本当)。
メガネから世界も語るヨシダさん。来週からのメガネ君をお楽しみに。
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メガネ伝説メガネ君
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