|
バルーンマンションの中は2畳ほどの広さで、真ん中部分では首をすくめれば立てるくらいの高さがある。段ボールが敷いてあり、その上から薄い発砲スチロールをかけてある。
「外よりはましですかね」
「まあ、なんとか」
他の参加者たちはどうやって夜を明かすのか?
覗き見て愕然とする。
他の参加者たちは、それぞれ発砲スチロールの上に毛布を敷き、更に寝袋にくるまっている。
「僕たち、毛布も寝袋もないですね」
「寝袋とか支給されるのかと……」
下からの冷気が体に伝わってくるので、なるべく床との接地面積を少なくする方法を模索する。横向きに寝るとどっちかの脚がペッタリ着いてしまうので冷え込みが厳しい。
試行錯誤を繰り返し、両膝を立てて仰向けになる。これが一番寒くない事を発見。
「林さん、この格好がいいです」
「あっ、本当だ」
10分経過。
「やっぱり、寒い」
「ちょっと命の火にあたりに行きましょう」
会場中央部に「命の火」という大きなたき火があり、そこはかろうじて暖かい。
ただ、風が強く火の粉が飛んで来るのであまり近付けない。
「……」
「とりあえず、休憩所に行きましょうか」
参加者たちは、少しの間なら休憩所で暖をとる事が許されている。
|