●ブドウ酒
「これは何?」
「ああ、これはねえ、去年わたしが漬けたの」
「何を?」
「庭にブドウが大量になったから、それを何とかしようと思って」
「ああ、あの、犬小屋の横にあるブドウね」
「犬のおしっこで、いっぱい育ったのかもしれないわね」
「うう………でも、でもさあ、なんで、こんなに飲みきってない果実酒いっぱいあるのに作るの?」
「だって、作るの楽しいじゃない」
「………」
「だめかしら?」
「……いや、別にいいけどね………。ぶどうかあ。ワインっぽいのかなあ」
「絶対ワインっぽくないわよ」
「飲んでみる………(ごく)……う、さすが、新しいものはアルコールの刺激があって、ぶっちゃけ………まずいなあ」
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