| 台風の進路にドラマを感じる (考察 4 ) ところで、やはり台風マニアとしていちばん気になるのは日本直撃型だろう。今年もかなりの被害が出てしまったが、実は見事に縦断していくような台風は決して多くない。最近のものでピックアップすると、 などが挙げられる。 しかしこれらに共通して言えるのは、進路に面白味、つまりドラマが感じられない、ということにほかならない。つまり「日本を襲う」という目的を確実に最後までやり遂げるのみで、目的を達成するためにできる限りの準備をし、リスクを排除し、万全の状態で臨むクールな殺人鬼、というようなイメージである。 それに対し、先の「迷走系」以外にも興味深い進路の台風があるので見てもらいたい。まずは、名付けて「直行系」。 いちばん分かりやすいのは2001年「台風5号」台湾へ直行しパッタリと消滅。特急台北行き(タイペイ・エクスプレス)と勝手に命名。正確には台北にまでは達していないが。 2003年「台風7号」中国大陸に直行。最後は人が中国大陸の奥地に侵入していくように見える。2003年「台風20号」もまるで広東州の港に入港のよう。直行ではないが2003年「台風19号」なんだか鉄砲伝来をイメージさせる。 また、日本を襲うつもりだったにも関わらず上陸直前で力尽きてしまうケースも見られる。何となく、台風vs住民の戦いで住民が勝った、というような図を想像してしまう。代表的なものは以下の通り。 太平洋上でオシャレに270度ターンして日本を目指すも直前で消滅。余裕を見せすぎたか。 4月11日に発生、2週間もかけて向かってきたが直前で消滅。準備に時間をかけすぎ。 なんだか悲しいのは、遠い海の上で発生したもののすぐに死亡。誰にも知られず、誰にも影響を与えず、誰の記憶にも残らない台風たち。栄養失調で死んでしまう発展途上国の子供、を想像してしまう。 生後6日で昇天(してるように見える)の2003年台風1号はまだがんばった方で、2000年「台風7号」とか2002年「台風10号」などは相当の台風マニアでも「あいつはねぇ・・・」なんて語れる人はいないだろう。2001年「台風26号」なんて、これ日本の台風じゃないだろう、という距離。 上の幼い台風たちの死因ははっきりしないが、生まれてすぐに上陸したために海からのエネルギー補給を受けられず、あっという間に消滅した台風なんてのも存在する。もちろん彼らは上陸すれば自分の体が衰えることは承知の上なので、不完全な状態でも上陸して任務を全うしなければならなかった、ということで「自爆型」と名付ける。2000年「台風11号」、2001年「台風10号」ベトナム国民を恐怖のどん底に突き落とした。
|