いつか思い切り汁をすすりたい…「とりささみ」

とりささみなんてはじめてだ。こういうのあったっけ？まあ、あったような気もする。

妖怪がクラスの一員に化けた時の同級生はこんな心境だったのだろう。こういう子いたっけ？いたような気がする。物語に影響しないその他大勢の気持ちだ。

人生なんてものはそうだ。大体その他大勢でいるものだ。

開けてみてなるほど、ほぐれてるのか。もっとカニ缶のように塊がごろごろしてるものかと思っていたが、見た目はツナ缶のそれに近い。食べてみると油分がなくて、ささみの水煮。ヘルシーだなあ。そして水煮の汁。これ自体はどんな味がするのだろうとちょっとすすってみたら、お。なかなかうまい。鳥スープに近い。

その後も「これどんな味がするんだろうね？」と妻に言ってはちょっとすすり、「吸ってみようかな？」と言ってはちょっとすすり…そのまま水煮の汁を吸うという後ろめたさから逃れるために、言い訳を作ってはすすっていた。

好きなだけ吸いたいなあ、お汁。気兼ねなく色々な汁が吸える場所、それこそが約束の地というものではないだろうか。

あまりなじみがない食材ですが、醤油をたらして粒マスタードをのせて、ご飯のおともにしてみました。うまい。そして個性がないぞ、鳥ささみ。扱いやすいものをものすごく無難な食べ方で食べている気がするこのご飯、言ってみればお役所仕事みたいなものか。

ハンコをついて右から左に流します〜♪大北クン、君今いったい何の書類にハンコをついたのかね？「ハイ！トリササミであります！」うむ、感心感心。ご褒美にベッコウアメあげよう。「やった〜！あっ、やばい！トリササミとベッコウアメがまじってあまじょっぱい！」大変だ、すぐやる課を呼びなさい！と、僕がイメージするお役所仕事は大体こういう感じなんだけど、合ってますか？

購入価格 105円
メーカー：いなば

（大北栄人）

( 2012/05/01 13:00:00 )