豚骨ラーメンクラスの脂がリップを直撃「オニオンスープ」

ジェンセンの缶詰も4缶目、今まで、ウィンナーぐらいしか思いつかなかった国、ドイツのイメージを覆すような缶詰ばかりだったけれども、今回はオニオンスープだ。
オニオン、つまり玉ねぎが日常生活で我々が食する料理において、メインになることはあまりないと思う。
そんな玉ねぎを大胆にもフィーチャーしてしまうスープだ。

普段、切ると涙が出る。とか、ガス臭い。などと散々な評価をされがちな玉ねぎだけれども、そんな玉ねぎが精一杯のおしゃれをしてこの缶詰の中に詰まっているのだ。
缶の中身を皿に開けてよく観察してみると……ドロドロである。
匂いや色、そしてその雰囲気をよく観察すると、ジャングルの奥にある毒の沼地のような様相である。ガス臭いし。
そもそも缶詰の写真にあるような小気味良いリング状の玉ねぎなどはない。しかし、この程度の期待はずれはもう慣れっこだ。

ぼくが「毒の沼地」などと見た目の感想を馬鹿正直に表現してしまったので「不味そう」と思われた方も多いかもしれない。
しかし、ちょっと待ってほしい。
確かに見た目は今ひとつだったかもしれない、しかしそんな思いはスープを飲んで吹き飛んでしまった。
うまいのだ。
玉ねぎのうまみだけではなく、シーズニング、ハーブの香りが強く実に爽やかなのだ。ただ、意外と脂分が多く、唇のまわりはマリリン・モンローばりにテッカテカになった。そして、うまいのではあるけれど、やはり味つけがいささか濃い。さすがジェンセンである。
ここは缶の裏に書いてあった通り、オニオングラタンスープにして食べてみた。
すると、これは軍人ならば二階級特進するほどのうまさになった。脂っこさも味の濃さもたちまち気にならなくなった。
やはり、メーカー推奨の食べ方には素直に従ったほうがお得である。


購入価格 598円
メーカー：Jensen'S

（西村まさゆき）

( 2012/05/04 09:00:00 )