地味なあいつを子供の人気者に「とり たれ味」
とり たれ味」である。「やきとり」ではなく、「とり」。鶏肉であることはわかるが、調理法については謎に包まれた商品名だ。缶をよく見ると「うま煮味付風」と書いてある。「ああ、うま煮なのね」と一種思わせておいて、そのあと「味付風」と急にぼかしているところでまた謎が深まる。
開けてみた。鶏肉と半ばゼリー状のたれとがピタッと詰まっている。やきとりとは名乗っていないが、それと似た感じのたたずまい。これこそ缶詰という地味さ。パッケージでいかに飾ろうとも、やはり気持ちとしてはやや盛り下がるビジュアルであるのは否めない。そこを逆手にとって、地味なこいつを楽しく盛りつけてやりたい。
家にあった中で一番楽しげなサーカス柄の器に盛りつけてみた。とり缶の地味さと、サーカスの楽しさとが拮抗する。食べてみて感じるのは、「なるほどこれはやきとりを名乗ってないわけだ」と思わされる焼いてなさ。だからと言ってまずいわけではなく「これがうま煮味付風か…」と、ぼんやり納得。この盛りつけなら、地味さを超えて子供も受け入れてくれるのではないか。幸い私には地味な缶詰ばかりが割り振られているので、盛りつけについても工夫していきたい。購入価格 105円メーカー:いなば(小野法師丸)
( 2012/04/29 14:00:00 )