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クラブ活動
 

毒部
伊藤健史 たった数ミリグラムで幾人もの人間を殺傷できる猛毒を持つ超危険動物から、単に不快なだけの虫まで、我々の周囲では多種多様な有毒生物が生を謳歌している。
そんな妖しく、かっこいい、時に癒される毒の生き物達を紹介する事によって、WEB2.0もソーシャルネットワークも確かに素晴らしいけれども、世の中には「毒」という切り口もあるんじゃないだろうかというささやかなライフスタイル提案ができたらと思う。
それにしてもなんといういかがわしい名の部活動だ。親が見ていなくてほんとうによかった。 (伊藤健史

キングコブラ

キングコブラ
フードをたたんでいると普通のヘビにしか見えない。これなら街ですれ違ってもキングコブラだとは気付かない。パパラッチ対策か。

ヘビが主食という、神経を疑いたくなるような嗜好を持つ、世界最大の毒ヘビ。名前からしてわかりやすく王者である。

実は毒自体の強さは先に挙げたマムシやヤマカガシよりも弱い、が、とにかく器が違う。
このヘビを見るのはほとんどがテレビなので、大きいといっても今いちスケール感がつかめないかもしれないが、なんと最大で約6mにもなるのだ。つまり、鎌首を持ち上げて攻撃準備をするあの姿勢の時に、立った我々の顔と同じくらいの目線になるのだから相当なサイズだ。

試合開始時に相手と向かい合って挨拶する時や、仕事で取引先の方と名刺交換をする時に、「こいつがキングコブラだったら」と想像してみてほしい。
そんなのに咬まれてなお、毒までたぷたぷ注ぎこまれたら、まず助からないだろう。

キングコブラ
ジャパン・スネークセンターのコブラ・シュミレーター(勝手に命名)。ボタンを押すとこちらに突進してくる。結構キング感あります。

自らの武器のデンジャラスさを知っての事か、メスを巡って行われるオス同士の戦いの際には毒牙は使わず、体を絡ませて、アームレスリングのように相手を地面に押さえつけて雌雄を決する。

テレビのドキュメンタリーで、長々とその戦いの様子が実況されているのを観ながら「ほら、そこで毒使っちゃえよ!」と思った自分の、ヘビにも劣る倫理感に愕然としたのは記憶に新しいところだ。

( 2012/03/28 12:52:00 )



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