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クラブ活動
 

毒部
伊藤健史 たった数ミリグラムで幾人もの人間を殺傷できる猛毒を持つ超危険動物から、単に不快なだけの虫まで、我々の周囲では多種多様な有毒生物が生を謳歌している。
そんな妖しく、かっこいい、時に癒される毒の生き物達を紹介する事によって、WEB2.0もソーシャルネットワークも確かに素晴らしいけれども、世の中には「毒」という切り口もあるんじゃないだろうかというささやかなライフスタイル提案ができたらと思う。
それにしてもなんといういかがわしい名の部活動だ。親が見ていなくてほんとうによかった。 (伊藤健史

ミノカサゴ

ミノカサゴ
気品あふれる社交界の華。顔だけ見るとカサゴ然としたおっさん顔なのだが。ドラッグクイーン的な感じか。

サンゴ礁系海洋ドキュメンタリーのつかみや、ヒーリングビデオ等への登場頻度も高い、長いひれをひらひらさせてゆっくり優雅に泳ぐ様が美しい魚。
しかし、その美しい背びれや胸びれに猛毒のとげを持ち、人間が刺されると激痛とともに発熱や吐き気を発症し、ひどい場合には呼吸困難も伴う。

こういった毒は通常、自らの天敵、もしくは獲物をメインターゲットとしているが、ミノカサゴに関しては、繁殖期にメスを奪い合うオス同士の戦いにもこの毒が用いられる。

敗れたオスは、致命傷とまではいかなくても最大で全治2週間程の重傷を負い、動けなくなるという。このまま進化したら、相手の食事に一服盛るみたいな、火曜サスペンス顔負けの陰惨な愛憎劇が繰り広げられるのだろうか。私が生きてるうちにしないかあ、進化。

静岡県の東海大学海洋科学博物館で、ミノカサゴづくしの水槽を見た時はそんな事を思い出してどきどきした。

ミノカサゴ
「毒のとげを持つ魚」コーナー。他にオニコゼやゴンズイなど、毒サミット状態。大丈夫だろうか。決裂して大変な 事になったりしないのだろうか。

( 2012/03/22 11:00:00 )



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