サンゴ礁系海洋ドキュメンタリーのつかみや、ヒーリングビデオ等への登場頻度も高い、長いひれをひらひらさせてゆっくり優雅に泳ぐ様が美しい魚。 しかし、その美しい背びれや胸びれに猛毒のとげを持ち、人間が刺されると激痛とともに発熱や吐き気を発症し、ひどい場合には呼吸困難も伴う。
こういった毒は通常、自らの天敵、もしくは獲物をメインターゲットとしているが、ミノカサゴに関しては、繁殖期にメスを奪い合うオス同士の戦いにもこの毒が用いられる。
敗れたオスは、致命傷とまではいかなくても最大で全治2週間程の重傷を負い、動けなくなるという。このまま進化したら、相手の食事に一服盛るみたいな、火曜サスペンス顔負けの陰惨な愛憎劇が繰り広げられるのだろうか。私が生きてるうちにしないかあ、進化。
静岡県の東海大学海洋科学博物館で、ミノカサゴづくしの水槽を見た時はそんな事を思い出してどきどきした。
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