家の中が寒いので温かい格好をしている。 暖房器具をつければ温かく過ごせるのは知っているけれど、、電気代をケチるために、どうにか着込むことで毎冬を乗り切っている。そして、この冬からは新たな温かアイテムを手に入れた。それは「タイツ」である。
ファッションセンターしまむらで買ったものだ。 280円とタイツの相場を知らないので確実なことは言えないのだけれど、おそらく安価なそのタイツは、僕の期待を裏切らない温かさを存分に発揮してくれている。とにかく、はくと温かいのだ。ちなみに紫色のタイツである。
タイツは夜にはく。 昼間より夜の方が格段に寒いので、お風呂上りに僕はおもむろにタイツをはくようにしている。右足からタイツに足を入れ、次に左足だ。両方とも膝くらいまではくと、グイっと腰の辺りまで引っ張り上げタイツをはき終えることとなる。
ある時、窓ガラスに映ったそんな自分の姿に気がついた。 ひげが生えた、髪が半濡れの上半身裸の老け顔の男性が、紫色のタイツをはいて立っているのだ。もちろん僕である。いま警察が来たら捕まるんだろうな、と思うと心配になり、もしこの姿を知人にでも見られたら、現在もほとんど無いと思われる信用がさらになくなるのだろうな、と確信する。
それからというもの、毎回ちょっとガラスに向かってポーズを取る。 それが近寄ったらダメな人度を加速させているように思える。早く服を着ないと湯冷めして、せっかくの温かいタイツの意味が無いのだ。でもポーズを取ってしまう。というか、なぜ紫色のタイツを買ったのだろう。違う色もあったのに。でも、温かい。
そして、「紅鮭と昆布のおこわ」にもタイツのような温かさがある。 鮭の旨みと、昆布の旨みがもち米と合わさり最高に美味しく、幸せな気持ちになり心がポカポカと温かくなって来る。おにぎり界の紫色のタイツだ。もちもちした食感も素晴らしく、どんどんと食べてしまう。いつまでも変わらぬ味でいて欲しいと願ってやまない、おにぎりだった。 ( 2010/12/13 21:00:00 )
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