街を歩いているとテッィシュを配っていたりする。
僕は必ず貰うし、それが世界のスタンダードだと思っていた。しかし、違うのだ。貰わない人もキチンと存在する。それを知った時、何ともいえない差を感じた。

いつだったか知人と街中を歩いているとテッィシュ配りをしていた。
僕としては、カラスは黒い、サッカーは11人対11人で球を蹴る、などと同じように、ティッシュは貰う、だと思っていたのだけれど、知人は当たり前のように貰わなかった。青天の霹靂とはこういうことかと実感した。知人に、何で貰わないの？　と聞くと「なんとなく」と知人は答えた。

「なんとなく」なら貰えばいいじゃないか、と思う。
僕が貧乏性なのか「なんとなく」なら貰う方向に全力疾走する。でも、「なんとなく」で貰わない人もいるのだ。育ってきた環境の違いなのだろうか。「なんとなく」で貰わない方が、育ちがいい気がする。上品なのだ。

しかし、なんとなくティッシュをもらう女性の方が好感が持てる。
自分に似ている気がするからだろうか。そういえば、むかし「マーガリン」のことを「バター」という女の子がいて、ひどくキュンとした経験がある。そのキュンが世界平和に役立つなら、向こう100年は必ず平和になるキュンだった。ティッシュにも、それと同じキュンを感じるのだ。

知人には、とりあえず貰って俺にくれ、とお願いした。
それからと言うもの、知人と一緒に歩くと、キチンとティッシュを貰ってくれ、僕に当たり前のように渡してくれるようになった。いい人だ、とつくづく思うのだけれど、もとは無料のティッシュだ。感謝する必要はないな、と思う辺りが育ちが良くない証拠な気がする。

そして、「おかか」は育ちのよい上品な味がする。
おかかの濃厚な味が御飯を美味しさを引き立てている。決して、オレがオレと一方的に主張することは無い。しかし、キチンと存在感を示している。なんて素晴らしいのだろう。いつまでも変わらぬ味でいて欲しいと願ってやまない、おにぎりだった。 ( 2010/11/25 21:00:00 )