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子供と股割り

子供と股割り
今年もあと少し!

先日、丸の内線に乗っていたら、どこかの駅で電車が止まり、4歳くらいの男の子とそのお母さんが乗り込んできた。男の子は一目散に向かいのドアに走り、必死に窓の外をのぞき始めた。彼は電車が走り出してからも、窓の外を見続けていた。お母さんは何も言わずに、中吊り広告を眺めていた。

彼には何が見えているのだろうか? 丸の内線は地下鉄だ。窓の外の流れる景色はずっと暗いだけなのに。子供は不思議だと思いながら、僕も窓をのぞき込むと、自分の顔が映った。微妙にヒゲをそり残している事実に気が付いた。

また別の日、田園都市線に乗り座席に座ると、向かいの席に4歳くらいの女の子とそのお母さんが座っていた。女の子は大事そうにゴム製(だと思う)の紫色のテディベアを抱いていた。しばらくすると、彼女はお母さんに手を差し出し、お母さんは鞄から絆創膏を出し彼女に渡した。

彼女は不器用に絆創膏の包み紙をはがし、テディベアの右ひざに絆創膏を張った。すると急にそのテディベアに命が吹き込まれたような気がした。さっきまでのテディベアとは違う感じがしたのだ。僕も家に帰ってからテディベアは無いので、代わりに椅子に絆創膏を張ってみたら、妙に貧乏くさく感じたのですぐにはがした。

また別の日、中央線に乗っていたら小学校4年生くらいの女の子が国際結婚を題材にした「ダーリンの頭ン中」という本を読んでいた。彼女にダーリンや結婚は早すぎるだろうと思うが、彼女の視野はもうそういうのを通過して世界を向いていた。国内の男の子ではダメなのだろうか? と思いながら、彼女から視線をずらし右の方を向くと、スウェットが似合いそうなカップルがいちゃついていた。彼女の視野の広さの正しさに感心した。

さて、股割りだけれど、年末も子供のように無邪気に割っている。今年もあと少しと思いながら、本日も股割りに励んだ。 ( 2009/12/27 22:00:00 )




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