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ゼリーと股割り

ゼリーと股割り
もう年末ですね

こんにゃくゼリーが嫌いだ。
確かあれは小学校4年生の時、学校で熱が出た僕は給食の前に家に帰ることになった。母が迎えに来てくれて、ふらふらしながら冬空の下を帰った。家に着くと、母は「ご飯を食べないと薬が飲めない」と言い昼食の準備を始めた。

熱できつく、何も食べる気がしなかったが、仕方なくコタツに入り昼食を待った。しばらくして出てきたのはカレーライスだった。昨日の夕ご飯の残りだ。子供ながらに「ちょっと待ってくれ!」と思う。病人にカレー。そして、なぜか本来福神漬けがあるポジションにこんにゃくゼリーが盛られていた(ぶどう味だった)。

地主家では「出されたものは残しちゃだめ」と言うルールがあるため必死に食べたが、熱できつく、しかもカレーで、さらにはなぞのこんにゃくゼリーというトッピング。最高に不味かった。とくにカレーをまとったこんにゃくゼリーは、僕に「死」を感じさせた。

それ以来「こんにゃくゼリー」が嫌いになった。未だに食べられない。僕が食べることのできない唯一の食べ物かもしれない。この話を大きくなって母にしたら「そんなことを私がするはずが無い!」と言い切った。いや、あなたはしたんですよ。

東京で一人暮らしを始めてから母から宅配便が届いたことがあった。「食い物だ!」とワクワクしながらガムテープをはがすと、ファブリーズとその詰め替え用2袋だけが入っていた。母に電話すると「心配で」と言った。いや、匂いよりももっと他の事を心配してくれと叫びたかった。

さて、股割りだけれど、割れるどうか心配だ。いや、でも割るのだ! と自分に言い聞かせ、本日も股割りに励んだ。 ( 2009/12/22 21:00:00 )




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