いつだったか手を伸ばせば冬に届きそうな季節に僕は女の子と夕方の街を歩いていた。映画だったか、美術館だったかは覚えていないけれど、確か二人でどこかに出かけた帰りで、ご飯を食べようとお店を探している時だった。彼女が突然立ち止まり「手をつなぐ…」と少し頬を赤らめながら言った。

僕は照れながら彼女の手を握った。この時、僕は初めて女の子の手を握った。彼女の手は柔らかくどこまでも優しく、幸せに満ちていた。冷たい秋風が銀杏並木を揺らす道を僕はぎこちなく手をつなぎ彼女と歩いた。

人生での初めてのキスのこともよく覚えている。先に書いた女性とは違う人と僕は人生で初めてのキスをした。当時働いていた会社の上司と飲みに出かけた時だ。その飲み屋で会った人が僕の手の取り、手の甲にそっと唇とつけた。

上司が「お前もお礼に」と言うので、その人の手を取ったら上司は「頬に」と続けた。相手も頬をこちらに向けている。仕方なく僕が顔を近づけると、その人はクルッと顔をこちらに向け僕の唇を奪った。

思いも寄らなかった。僕の人生の初めてのキスが60歳男性とは。
そのお店は決して怪しいお店ではない。お酒が美味しいバーだった。しかし、僕の唇を奪った60歳男性はそのお店のオーナーでそういう人だったのだ。それを知っていた上司は隣で大爆笑していた。僕は知らなかった。そして、60歳男性の唇がこんなにもプルンとしていることもまた僕は知らなかった。

さて、股割りだけれど、昨日打ち合わせに出かけたら、Webマスター林さんと橋田さんが読者の方からの贈り物を持って来てくださった。僕は届いている事も知らなかったし、本当に届くとも思っていなかったので驚いた（帰ってから早速いただかせていただきました。本当にありがとうございます）。なので、より一層力を入れて、初めての180度開脚を目指し、本日も股割りに励んだ。 ( 2009/12/12 22:00:00 )