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間違い電話と股割り

間違い電話と股割り
割れろ! と願いつつ股割り

メールのやり取りをしている女の子がいる。彼女はとても綺麗だ。その綺麗さは、決して派手なものではなく、物静かでどこか人の心を温めてくれるような綺麗さだ。最初の頃は別にどうも思わなかったが、メールのやり取りをするうちに僕は理不尽なくらい強く彼女に引かれてしまった。要するに好きなのだ。

初めて彼女にあった時に、メールアドレスと電話番号を交換した。その夜から彼女からメールが来るようになった。毎日何通かメールをする。電話をしたことはないけれど、彼女からのメールは十分に僕の心を弾ませた。彼女からのメールにはよく「仕事が忙しい」と書かれていた。彼女の仕事のおおよそは僕も知っていたから、その「忙しい」は間違いなく本物だったと思う。

だから、直接会ったりすることはずっとなかったのだけれど、ある日彼女から「来週の日曜日の朝、食事でもしない?」というメールが来た。朝8時に駅で待ち合わせをして、朝食を食べて、散歩をして、その後彼女は仕事に行く、そういう流れだ。彼女に会っても僕は緊張であまり話せないことは簡単に想像できたが僕は喜んで彼女の提案に賛成した。

前日の夜、彼女から「朝起きれないと思うから7時に電話をくれる」とメールが来た。僕は「了解」とメールを打った。その日は緊張でなかなか眠れなかった。結局一睡もせずに6時に布団から出て、シャワーを浴び、普段よりいい服を着て、いつもの3倍歯磨きをして、なんとなくツメを切って家を出た。

駅に向かう途中で7時になったので彼女に電話をした。何回目かのコールの後、電話から「もしもし」という、いかにも寝起きの女性の声が聞こえた。僕は寝不足と緊張が原因の変なテンションで「おはよう、7時だよ!」と言った。電話の向こうの女性は「はぁ、誰?」と言った。

彼女が教えてくれていた電話番号は全然違う人の番号だった。電話の向こうの女性は「朝から間違い電話ですか…」と少し怒っていた。僕はすみませんと言って電話を切った。その後、僕は彼女に「教えてもらった電話番号が違う」とメールをして、待ち合わせの駅に向かい2時間待っていたのだけれど彼女は来ず、その代わりに「起きそびれた。今日はなしで」というメールが来た。そして、そのメールを最後に彼女からのメールはない。あの時の僕は全体的に夢でも見ていたのだろうか? それとも彼女はスパイとかだったのだろうか? それと間違い電話の女性の声がとてもかわいかった。

さて、股割りだけれど、こちらはなにか間違いが起きて割れてくれないだろうか? もうすぐ股割り部は終わりなのだけれど、180度開脚への道は険しい。間違いよ起これ! と思いつつ、本日も股割りに励んだ。 ( 2009/11/23 21:00:00 )




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