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父との生活

10月9日(火) 過去問

10月9日(火) 過去問
地名が書いてない地図

今日は僕は代休を取っていて会社が休みだった。パチンコしたりして一日をのんびりしていたけど、夜には出掛ける用事があり、いざ出掛けようとしているところへ父が研修から帰ってきた。

今から出掛けると告げると、晩御飯は食べてくるのか?と聞いてくるので、じゃぁ家で食べるよと言って出掛けた。用事が済んで帰って来たとき、てっきり父はご飯を作っててくれているのかと思っていたが、何をしていたかと言うと寝てた。僕が玄関のドアを開けたとき少し起きたのだけど、ねむい、と一言だけ言ってまた寝てしまった。22時半までネットとかして過ごしたのだけど父が起きる様子はなく、牛丼でも食べに行こうかとごそごそしていたら、そこでやっと父が起きた。

起きた父はご飯を作ろうとしている様子だったので、眠そうな父に代わって僕が作ることにした。今日のメニューはカレーを予定していたようで、やっぱり玉ねぎと豚肉をレトルトカレーに加えるあれらしい。でも、今日は僕が作るので父と少しレシピを変えて作った。出来上がりはさすがにスープカレーにならなかったが、やっぱり味はもの足りなく、食べるときにソースをかけて食べた。

地理試験が明後日に控えている。父が僕にその地理試験の過去問を持ってきてやってみろと言う。試験は紙2枚、1枚目は設問で2枚目は地名が載ってない、だけど交差点と主要な通りに番号が振ってある23区の地図だった。1問目を読んでみると、次の通りは地図上の何番か答えろ、というようなもので、通り名が8つ、駒沢通りと外堀通りと、あと知らない通りの名前だった。他には、次のインターは首都高の何号線か、とか、夢の島競技場から亀戸まで最短で行くときに通る交差点名を穴埋めしろ、など、これが素でできたらよほどの東京通だな、と思わせる内容だった。

僕にはさっぱり歯が立たなかったが、父は2枚目の地図に載っている通り名88個を全部暗記したらしい。試しに適当な通りを指差してこの通りは何?と尋ねると第一京浜と答えた。そして訊いてもない通りの名前を次々と暗唱し始めて止まらなかった。それでも、いくら道は覚えられても、○○から××へ行くときの交差点名、というパターンが難しくてくせものなんだと言う。

父は若い頃東京に住んでいて、そこで母と出会った。だから、東京の地理を全く知らなかったわけじゃない。でも、それも30年近く前の話だ。忘れてたりもするだろうし、道も変わっているだろう。父はご飯を食べ終わった後もずっと地図を見てブツブツ言っていた。何かを覚えているのだと思うが、そうやって60歳を超えても試験のために勉強する姿を見て、人生は一生勉強なんだなと思った。 ( 2007/10/23 23:00:00 )




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