今日、父がやってきた。0時前後に来ると聞いていたのだが、それよりも40分ほど早く来て焦った。チャイムの音を聞いてドアを開けるとスーツ姿の父が立っていた。中に入るなりとりあえず服を脱ぎだし、暑い、暑いと言っている。僕はそんなに暑くなかったのだが、慌てて冷房を入れた。父がスーツの上着をそのへんに置いていたので、これまた慌ててハンガーを差し出した。
どうやら父は僕に最大限の気を使っているらしく、タオルケットにくるまって硬い床の上で寝るつもりのようだ。しかし、そうはいかない。僕はこの日のためにドンキホーテでエアーベッドを買っておいたのだ。最近の父は頑固すぎる、と母から聞いていてエアーベッドの件は切り出しにくかったのだが、父は意外と素直に好意を受け入れてくれた。轟音と共に電動ポンプでベッドに空気を入れると、白い肌着とトランクスの涼しい格好になった父はトイレに行ってあとは寝た。家に入ってから20分くらいしか経ってなかった。
明日は7時から研修らしい。9時に起きて会社に間に合う僕とは完全にすれ違いの生活だ。父が寝た後も僕はしばらく起きていた。あとで父が寝ている台所に行くと、とんでもないゴム臭が充満していた。エアーベッドの素材がゴムなのだ。臭くて寝るの辛いだろうに。ごめんよ、父ちゃん。 ( 2007/10/15 00:01:00 )
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