古い時代に撮られた写真は、その時々の世相や風俗が切り取られた歴史資料でもあります。しかし世の中には、明らかにその時代にそぐわない人物が写った「不思議な写真」というものが存在するようです。そんな写真をねつ造して残しておけば、後世で話題になるんじゃないか? ライターの住正徳さんは立ち上がります。
まずはこちらをご覧ください。1940年に撮影された写真ですが、中央に現代的なサングラスとロゴ入りTシャツという、明らかに周囲と風体の異なる男性が写っています。「彼はタイムトラベラーではないか?」。都市伝説好きの間で、そう騒がれた1枚なのだそうです。
次にこちらの写真をご覧ください。一見なんの変哲もないスクランブル交差点のようですが、よく見るとおかしな人物が写っています。
タイムトラベラー!
道行く現代人のなかに、シルバーのタイツに身を包んだ未来人の姿。2066年の未来では人々はこのようなタイツに身を包み、頭には透明の球体型のウェアラブル端末をかぶっていると住さんは予測します。
無事に交差点を渡り切るタイムトラベラー。都会の無関心も幸いし、特に奇異な目を向けられることもなく溶け込んでいるように見えます。
その後は「ロト6」を買って「タイムトラベル法違反」を犯したり
「50年後はカフェインが禁止されている」という設定を持ち込み、物珍しそうにコーヒーを飲む未来人を演じてみたり、タイムトラベラーとして2016年をエンジョイしています。
しかし程なく、45歳の羞恥心はピークを迎えます。普通の服に着替え、駆け込んだドトールに身をひそめる住さん。「僕はもうすぐ誕生日を迎えることを思い出して、少しだけ気持ちが落ち込んだ」と、その心境を吐露します。
しかし、未来の人間を予想して、写真を撮る。それ自体は楽しそうなイタズラです。冒頭の写真も案外、先人のそんな茶目っ気から生まれた「ねつ造写真」なのかもしれませんね。