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とくべつ企画
 
ドバイの砂漠で干物を作る
デパートの楽しみ方を広げてみる試みです。

ある人がデパートに行くとする。
どこで買い物をするかという決め手は何だろうか。
品揃え、接客、交通の便、さまざまな要因がある。

匂いという要素はどうか。
どうせなら、いい香りのする建物で買い物がしたいだろう。
デパートを香りで選ぶという時代の幕開けである。

脇坂賢
(わきさかけん)

1991年広島生まれ。熱中しやすく飽きやすい性格。特技はモノを壊すこと・なくすこと・忘れること。好きな食べ物はじゃがいもと鶏肉。
> 個人サイト 本塁ブログラボ @HonruiMAX


百貨店一階に於ける芳香概論

デパートの顔とも言える入口を入ると、女性の目を引く香水や化粧品がきらびやかに並ぶ。
その中には、手が出ない高価な商品もあるだろう。
だが、香りはタダなのだ。
どうせなら楽しんだ方がいいに決まっているじゃないか。

というわけで、今回は新宿駅の西口・東口のデパート4店舗を嗅ぎ比べてみた。

さあ、嗅ぎ回ろうではないか。

グッと来てスッと抜ける伊勢丹

まずは東口から攻めよう。
そう思って入ったのは伊勢丹である。

入った瞬間、少し強めの香りに包まれた。
なかなか鼻を攻めてくる。
しかし、しばらく経つとそれまでとはウソのように穏やかな空気になったのだ。
高低差のある匂いだ。

いきなりトリッキーな店を引いたかもしれない。

伊の字がそびえる屋上
Iの字がペンギンに見える

嗅ぎ始め…☆☆☆☆☆
後味…☆☆
香りジェットコースター度…☆☆☆☆

自然なマルイ

次はマルイへ嗅ぎに行く。
店に入って驚いた。一嗅ぎ目がほぼ無臭だ。
マルイは1階が雑貨売り場だけで、化粧品がないからだろうか。

しばらく嗅いでみると、ほのかにさわやかな香りがし始めた。
木のアクセサリーらしい自然な香りも混ざってくる。

さきほどの伊勢丹とは対極にある香りっぷりだ。
デパート匂い道は奥が深い。

1と0(ほんとは丸だけど)、デジタル感溢れるロゴ
けっこう個人的に好きです

人工的な香り…☆
自然な香り… ☆☆☆☆
大和撫子度… ☆☆☆☆☆

エレガンス小田急

続いては西口へ移動する。
鉄道系の二強のうち、小田急へ走る。
ここは一階にルイ・ヴィトン、シャネル、ブルガリと高級ブランドがずらりと揃っている。 どうも今までのように入りずらい。 意を決して潜入すると、濃厚な香りが鼻全体を包んだ。 だが、決してでたらめに香水を撒いたような下品な臭いではないのだ。 強く、それでいて優しい。 これがブランドの力か。

こちらを見ればヴィトン。
あちらを見ればシャネル。

アピール度… ☆☆☆☆☆
高級さ…☆☆☆☆
大人度…☆☆☆☆

バラエティなら京王

最後はちょっと年齢層高めの京王。

京王は他に比べて革製品の匂いが強い。
そのため、場所ごとに革と香水が混ざり合って様々な面を見せていた。
ある時はミネラルウォーターのように透明。ある時はジュースのように濃密。
変幻自在に姿を変える。
有閑マダムもこの香りに酔いしれているのであろう。

気取らないたたずまい
化粧品かと思ったら婦人用ウィッグだった。

甘い香り…☆☆☆☆
渋い香り…☆☆☆☆
香りの品揃え度…☆☆☆☆☆

データ化、そして分析

特徴をまとめてみた。時間による強さの移り変わりと、匂いの傾向でグラフに出力している。

匂いの移り変わり
匂い特性マトリクス

正直、ここまでの違いが出るとは思っていなかった。
特にマルイは「1階=化粧品や香水の香り」という固定概念をひっくり返してきた。
店を香りで選ぶ、これは十分にアリだ。


まとめ

鼻を利かせるのはおもしろい。
これまでなんとなく嗅いできた香りをゆっくりと味わうと、個性がはっきりとわかる。
みなさんも、デパートに行ったときは鼻でも楽しみを見つけてみようではないか。

今年一番鼻を使ったかもしれない


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