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とくべつ企画
 
ドバイの砂漠で干物を作る

初めての一人上京の思い出がこのライトな緑色の物体になろうとは。

これは角度を測る装置だ。

「建築用」と真ん中に書いてあるから業務用なのだろうが、その割にはポップなカラーである。

私はこれを片手に渋谷に点在する坂道をうろうろ回ることになるのだが、4年ぶりの東京だ。しかも1人で来るのは初めてだ。

ましてや渋谷になど来たことがない。

今回は、慣れない環境と人ごみと猛暑と格闘した顛末をお送りする。

後藤昌平
(ごとうしょうへい)

愛知県出身三重県在住。ずっと名古屋弁だったが大学で三重弁が混じったためイントネーションがめちゃくちゃな大学院生。 地図と天文が好きだがあまり外には出たがらない。すごく汗かきなのが悩み。


渋谷はその名の通り谷の底にあり、周りは上り坂だらけである。
その坂の角度をとにかく測ってみることにした。
土地勘が無くても感覚で行けるだろう。
方向音痴でない自信ならある。

宮益坂

まずはヒカリエの近くを通る宮益坂を調べてみようと思った。

が、ここで問題があった。
実は、外でこういった取材をするのは初めてなのだ。人の目の前でしゃがんでこの黄緑色の物体を取り出す勇気がなかなか出ない。

ビビりすぎて、自撮りもうまくいかない

測定する勇気が出ないまま、坂の上に到達!

このままではまずい。
と、とりあえず人通りの少ない坂を探そう。

金王坂

宮益坂のすぐ近くにある坂だが、宮益坂に比べて人通りも少なめだったので、トライ。

測定場所。ここなら安心できた。

少々見づらいけれど、3.5度です。

結果は3.5度。

この装置が100度まで測定できることを考えれば、非常にもったいない使い方をしている気もするが、まあいいか。

この坂は下っただけなので、単純に比較するのは良くないが、こちらの方が急に感じた。
ところで金王坂なんてすごく豪勢な名前の割には人が少ない。たまたまだろうか。

渋谷駅南口のスロープ

人通りの少ない坂が、ない。
東京は大体どこにでも人がいる。
私の地元名古屋では、多くの人が地下街に逃げ込むので、地上には人がいない、なんてことも多いのだけれど…。
とりあえず(いつも“とりあえず”で済ませるくせがあります)、渋谷の中心である駅に入って作戦会議を開こうと思った、その時に、こんな場所を見つけてしまった。

駅のスロープって、意外と角度がある。

ちょっと違う場所で測っていますが、駅の中です。これは7.5度。

さっきの金王坂の3.5度を考えると、かなりの角度である。

確かに上ってるなあという感覚はかなりあるのだが、いかんせん距離が短いので、大したことない坂である。
というより、そもそも坂というのはどの位の規模になってからのことを言うのだろうか。分からなくなってきたぞ。
駅の構内という人通りの多いところで撮ることができたので、もう一度宮益坂に向かおう。

宮益坂リベンジ

ということで、再び宮益坂。
最も平均的な角度をしていそうな箇所を見つけて、測定した。

測定箇所は、大体この辺り。

3度。隣の金王坂(3.5度)より若干緩やか。

予感は的中した。
きつい坂をお望みならば、金王坂。
ゆったり坂をお望みならば宮益坂である。

渋谷マークシティ脇

ここまでは渋谷駅の東側を中心に調べてきたが、ここで西側に移動。

いかんせん土地勘が無いので適当に歩いていたら、いよいよ汗が止まらなくなってきた。
私は汗かきだ。家族全員汗かきなので仕方ないと思っているが、なぜ皆そんなにかかずに済むのか、理解できない。

お、あれは!

そんなときである。地面が異様に盛り上がっている様子を目撃したのだ。
これは期待できるぞ!

滑り止め+歩行者用階段付。出るか新記録

11.5度!これはきついぞ!

これまでの坂が一体なんだったのかというくらいのTHE・坂だ。

実際に車道側を歩いてみたが、これまでの倍の汗が噴き出すほどの坂だった。
サイドに階段が付いているのも頷ける。
階段の方が昇りやすい人間と、スロープじゃないと登れない車両との共存である。すばらしい。

坂・ダイジェスト

この後、11.5度の壁を超えるものは現れなかった。ここからは廻った坂をダイジェストでお送りする。

道玄坂

角度は測定しなかったが、すごくゆるく感じた。宮益坂と同等かそれ以下。

高速道路脇の坂(渋谷駅西側)

この先の歩道の下り部分を測定した。結果は5度。

高速道路・一般道・歩道の高さが全く違うので、ずっと角度のことを考えていた私は、平衡感覚がおかしくなりそうだった。

間坂(まさか)

調べたらこういう名前の坂らしい。
まさかこんな短い坂に名前を付けるとは。7.5度。まあまあきつい坂だが、短い分半減する。

スペイン坂

あれま、階段…?

と思ったら下は坂だった。角度は6度。

これじゃあ坂じゃないじゃないか!と思ったが、下の方は坂らしい坂をしている。
坂としては初志貫徹していない。ズルいぞ、スペイン坂。

まとめ

・渋谷は基本的に西側の方が坂が多くてきつい
・1度でも傾いていたら坂を実感できるが普通に歩ける
・3度を超えると坂感が増す
・8度以上は坂を登るぞという覚悟が必要 (但し距離が短い場合はすんなり登れる)
・11度まで行くと完全に山登り
・渋谷は人が多いが、慣れれば何とかなる
・楽しくなったら、恥ずかしさは割とどうでもよい

マークシティの脇のポテンシャルの高さが際立つ


実のところ、私の実家の近くも坂だらけだ。

今回は、知らない土地の勾配ばかり調べたが、これで地元の勾配を知らないというのはおかしいのではないか、という気さえ起きてきた。

ライトでポップながら、することは地味なこの物体、今度見つけたら買おう。(今回はお借りしました)

新宿でも調べたが、立体交差と階段ばかりで坂が少ない。軟弱。


 

 
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