東京の息子から電話がかかって来た。
「あのサー」これが出るとたいがいいつも、ややこしいことを言ってくる、その度にニワカカメラマンになったり、ニワカレポーターをやらされる、案の定またややこしいことを言い出した。
今回はどじょうすくいおどりの名人(ちょっとだけ名人)になってくれとの事である。
不安を感じつつ「安来節演芸館」へ
子供の頃から安来節とどじょうすくいは知っていたが、まさか、自分が体験する羽目になろうとは、不安な気持ちとちょこっとだけ期待感を持っていざ安来節演芸館へ。
安来節の本部だけあって立派なかまえである。少々、気持ちが折れそうになる。
おそるおそるどじょうすくいおどりに立候補
ひととおり説明の後、どじょうすくいおどりを体験したい人を募集するので恐る恐る手をあげた。
安来節の衣装やまめしぼりのほうかむり、竹のかご、ソーキ(ざる)を三人のおばさま方に準備していただく、後で知ったのだが、この方々も名人の人達だった。ありがとうございます。恐縮する。
男女3名人の安来節、さすが本場、名調子に思わずひき込まれる。大体300種類位の歌があるらしい。
曲に合わせておどりも披ろうされる。 先程のおばさま方3名の見事なおどりである、イョー名人!!
安来節に合わせた独特のリズムとバチさばきにみりょうされる。スゲェー、子供の頃、 町の青年団が演じたのを見たけど、ハクリョクあるわー。
いよいよ、どじょうすくいおどりの実演
いよいよ目的であるどじょうすくいの演技である。名人中の名人の演技に思わす引き込まれる、おどりの所作、おどけた時の間のとり方、さすがであるが、むずかしそうだなー。
いよいよ講習の始りである。舞台の上に上げられ名人自ら手ほどきを受ける。てれくささと、不安とでちょっと緊張する。
両足を開き、上半身を前に倒し、ひざを折る、これがなかなかきつい。すこし歩いただけで両方のももの筋肉が痛くなりそうだ。 ソーキをかむり、舞台を一周しただけで前につんのめりそうになった。
もうすでにこの頃は両ももが痛くて、中腰でいるのが辛くなる。
ちょっとはずかしかったけど舞台でおどる経験は始めてだった、妙な高揚感と達成感を感じたのだ。
両ももの筋肉がつりそうになったけど何とか修了した、ホッとしながら考えた、確か我が家のとなり町に安来節同好会の支部があったなー、今度行ってみようかなと思った。
よいエクササイズになった
それにしてもあの姿勢で軽快にリズムに乗って踊れるとはさすが名人だ。何の踊りでも見てる方は楽しいけど、演じるのはけっこう重労働であった。
芸事全般に言えるだろうけど、芸を究極に極めると云う事は一生かかって出来るかどうか、むずかしい事だなと思った。