黒曜石を、割る
やっと本題に入る展開だが、黒曜石はガラスに似た物体で、割ると鋭利な断面ができる。それがナイフになるという。
コツも何も良く分からないが、とりあえず、ハンマーでガツンと叩いてみた。
保護メガネをしていなかったら、絶対やばい勢いで黒曜石は破片となって砕け散った。 叩けばいい、というものではないようだ。
正しい割り方を求めて博物館のサイトを見てみると、くさびのようなものを当て、割れやすい方向を見極めて割る必要があるとのこと。 さいわい、ハンマーの逆側がとがったバールになっていたので、ここが当たるように叩いてみた。
できた!僕にも石器ができた! 何かこう、自分の中で文明の段階が進んだような喜びがある。 思ったよりも簡単に、手のひらサイズの石器が完成。 ガラス質の黒曜石は半透明で、黒く透き通る断面は怪しく美しい。
だが、問題はこの石器で実際に肉が切れるのか、ということだ。 そのための鳥は買ってきてある。
石器はさっきの石器に続いていくつか作った。 大小、刃の厚い薄いのいろいろなパターン。 はたして、こんな石の破片で、鳥を解体できるのだろうか。
頼りないが、思い切って、黒曜石を鳥肉に当ててみる。
凄まじい切れ味、黒曜石
結論から言うと、黒曜石は驚異的な切れ味を発揮した。
鶏肉の皮はぷよぷよしていて、包丁だとなかなか切りづらいときもあるのだが、黒曜石はものともしない。 皮に線を引くだけで、一刀両断にしてくれる。 すごい。
はっきり言って、包丁より全然切れる。ズバズバ切れる。 想定外の切れ味が楽しくて、興奮してどんどん肉を切り裂いているうちに、あっという間にもも肉を下ろし終わってしまった。
まさか、ここまで切れ味がいいとは思っていなかったので、無理だと思っていた、一つのアイディアを試してみることにした。 石器でのヒゲそりだ。